古楽器

先日、期間限定で開催されていた東京国立博物館の「正倉院の世界」を見に行ってきました。土曜日に行ったせいもあってか、かなり混雑していて、じっくり展示物を眺めるのが困難なほどでした。
数々の貴重な資料、宝物の中で、やはり音に携わる仕事をしている身として、一音楽好きとして、螺鈿紫檀五絃琵琶に興味を惹かれました。なんでも、世界で唯一現存する五絃琵琶(古代のギターのようなもの)で、奈良・正倉院を代表する宝物の一つだそうです。
そして、長年の研究により実際に演奏可能な模造品が展示されていました。その音を聞いて思ったのが、ドレミ・・・で表現される現代の音階と変わらないものであることでした。

前回の記事で述べたように、当時の音程は今とは多少異なるものであったとは思われますが、いくつかyoutubeで古代の楽器の演奏を聴いてみた限りでも、やはり現代で馴染みある音域で調整するのが一般的であるようです。しかしながら音程が異なったものであったとしても、「ド」から丁度2倍周波数が高くなるとオクターブ違いの同じ「ド」の音色であり、1.5倍ずつ高くしていくと、「ド」→「ソ」→「レ」→「ラ」→「ミ」→・・・となっていき丁度12音で概ね同じ「ド」に戻ってくる(3/2の12乗が整数倍に近くなる)という音階の概念は、楽器というものが誕生した頃からあまり変わらないようです。

余談ですが、前述の最初の五音「ドソレラミ」のみで構成される音階が「ヨナ抜き音階」と呼ばれ、どこか懐かしい感じの親しみやすい曲に感じられるそうです。今年大ヒットした「パプリカ」も冒頭部分は、ほぼヨナ抜き音階で構成されています(イ長調なので「レ」と「ソ」がメロディーラインにほぼ使われていないことが分かります)。弦の長さを丁度2倍にしたり半分にしたら同じ音色になるので、あいだとって、3/2倍していくと、心地よいハーモニーが生まれる、というのはやはり不変の真理なのでしょうか。少しひねくれて、4/3倍ずつ音を定義していったらどんな音階が生まれるのか、今度実験してみたいと思います。(どこかで既にやられてそうですが・・・)

(浩)

キャッシュレス決済音

 10月から経済産業省のキャッシュレス消費者還元事業が始まり、私もスマホにアプリをインストールし、QRコード決済を使い始めました。不正課金のニュースもあり、銀行口座やクレジットカードを登録するのはなんだか不安なので、現金をチャージをして使うようにしています。1ヶ月経った今では使い方をすっかりマスターし、買い物の半分以上をキャッシュレスで支払うようになりました。
 私が使っているのはPayPayですが、レジで決済する時にスマホが「ペイペイ♪」と鳴ります。マナーモードにしていても鳴ります。決済が成立したの知らせる音なので「鳴るな」とは言いませんが、静かなお店で陽気な声の「ペイペイ」が鳴ると、ちょっとだけ恥ずかしくなります。この決済音は、音量を下げることはできても、鳴らないようにはできないとのこと。他のキャッシュレス決済では一体どんな音が鳴っているのでしょうか。

LINEPay、PayPay、OrigamiPayの決済音動画

このほか、nanacoは「ピュウイ」、WAONは「ワオン」、QUICPayは「クイックペイ」、ApplePayは「コピン」と鳴るようです。

そんななか、私が好きなのは楽天Edyの「シャリーン」という決済音です。
小銭を貯金箱に入れた時の「チャリーン」という音に似ていて、あぁお金使ったんだなと感じることができます。シンプルで、決済という目的にも合っているところがよいと思います。

楽天Edyの決済音動画

しかし、結局のところ私には還元率が一番良いので、今日もちょっぴり恥ずかしい思いをしながらPayPayを使います。そのうち慣れるだろうと信じて…。

(幸)

音は情報のピース

先日、台風に備えて、家の浴槽に水を貯めました。しかし、貯めている最中に他のことに集中してしまい、時が経つのを忘れてしまいました。風呂場の方から「ザーザー」と、浴槽から水が溢れる音が聴こえてきて、慌てて水を止めに行きました。
この「ザーザー」という音が、浴槽を視界と意識から外してしまっていた私に、水が溢れていることを教えてくれたのです。このように、死角からも届き、傾聴していなくても意識を引きつけるトリガーになるというのは、音の重要な役割だと思います。
ただし、この音だけでは、おそらく何の音なのかわかりません。私には、浴槽に水を貯めはじめてからそれなりに時間が経過したという記憶があり、それを組み合わせて音の正体を理解しました。音が何でもよいわけではありません。よくわからないながらもそれらしい音が、それらしい方向から聴こえてきたからこそ、理解に至ったのです。

音は、言わば情報のピースであり、他の情報と組み合わせることで、価値を発揮する場面が多いと思います。そして、私たち人間は、情報を組み合わせる思考を、ごく自然に、無意識のうちに行っていると思います。そこに意識が向いたことで、人間のおもしろさを再認識しました。

(祐)

«アナログがいい