新しい言葉「ジワる」

先日、私の寝顔を見た娘(6歳)から「パパ、ジワる~」と笑顔で言われました。
意味は分かりませんでしたが、その後に何回か言われるようになり「ジワる?」の意味を調べると若者言葉で「ジワジワと笑えること」でした。
私は娘からジワジワと笑われていることに初めて気付きました。

私の時代にも「ドロン=先に帰ること」などの若者言葉がありましたが、時代とともに言葉も進化していくものだと改めて実感しました。

「ジワジワ」や「ドロン」などを「オノマトペ」と言いまして(※正式には「自然界の音・声、物事の状態や動きなどを音で表現した言葉」)、「オノマトペ」の歴史を調べてみると、とても古く、日本最古の文献である「古事記」(712年)にはすでに存在しています。
古事記の冒頭には、国を生み出そうと塩の海を鉾でかき回したときに、「こをろこをろ」という音を立てたという描写がありまして現代語訳では「カラカラ」に近い音だそうです。
他にも「万葉集」に、鼻水をすする音「ビシビシ」が載っていたりと「オノマトペ」は、昔から日本の言葉として欠かせない存在だと言えます。

この「オノマトペ」も日本の生活の変化とともに形を変え、新しい「オノマトペ」が生み出されてきました。
最近では、「ツンデレ」「もふもふ」などに加え、「壁ドン」などの「略語+オノマトペ」の進化もしてきており、多様な「若者言葉」が生み出されています。

今までの価値観にとらわれず、自然界の音・声、物事の状態や動きなどを新しい視点、感覚で感じてみるのもいいかもしれません。

<あとがき>

娘に笑われるのは嫌なので「ジワる」という言葉を言わないでと口うるさく言ったところ「パパ、ポイっするよ」と言われました。じぇじぇじぇ!

(口)

水止舞

先日、東京大田区にある厳正寺の「水止舞(みずどめのまい)」というちょっと珍しいお祭りを見に行きました。
15年ほど前に出版された、みうらじゅんの「とんまつりJAPAN」という奇祭特集本でも紹介されています。

この祭りは、長引く雨が止むように、龍神に祈りを捧げ鎮めたのが始まりと言われます。約700年の歴史があり、東京都無形民俗文化財にも指定されています。

前半の「道行(みちゆき)」、後半の「水止舞」の二部から成ります。
小雨の降るなか寺の前で待っていると、「道行」が始まりました。龍神役の男性2人が藁縄を編んだ筒に入れられて、寺の門の外の道路に転がされたうえに、人々からバケツの水をじゃんじゃん浴びせかけられます。その間、龍神たちは手に持った大きな法螺貝を力いっぱい鳴り響かせます。
ずぶ濡れで転がされながらボェ~ボェ~と法螺貝を必死で吹く姿は迫力があり、何とも見ごたえがありました。

そして龍神たちは徐々に寺の舞台へと運ばれ、「道行」は終了。このあと三匹の獅子による舞が捧げられ、龍を鎮めます。
この獅子たちは、「水止=シシ」と名付けられています。舞とそれに合わせて奏でられる笛・太鼓もすてきでした。

小雨が降る中でしたが、楽しく見ることができました。今年は長雨が続いていますから、これでそろそろ梅雨明けとなってほしい所です。

↓法螺貝の音ともにお祭りの雰囲気を味わえます。

動画「奇祭・水止舞 東京都無形民俗文化財

(津)

音階

音楽で使う音の種類といえば、ド、レ、ミ・・・いわゆる音階を思い浮かべると思います。
一般に、「ラ」の音は凡そ440Hzで、種類は半音階(#や♭)を含めて12種類とされていますが、皆が思い浮かべる「ド」の音の高さは誰が決めているのか、なぜ12種類なのか、疑問に思ったことはありませんか?
国や地域、年代によって全く異なるものでも不思議ではないような気がします。

実際、音の高さについては、同じ「ラ」の音でも昔はもっと低く、バッハの時代は、今よりも半音近く低かったと言われています。ところが同じ曲でも、少しだけ音程を上ずらせて演奏すると、本来の音程よりも良いように聞こえてしまうことが知られており、段々と高くなっていったようです。
音は、絶対的な音の高さよりも相対変化の方が重要(相対音感)で、曲全体の高さを変更(移調)しても曲調は変わらないため、あまり音の高さの定義は問題にならなかったということですね。
私が学生時代所属していたオーケストラでは、「ラ」の音を440Hzではなく、442Hzで調整していました。
海外のオーケストラでは現在、もっと高く設定しているところもあるようです。
1000年後の「ラ」の音はどうなっているんでしょうか。
あんまり高くなりすぎると、どこかで1オクターブ落とさないと、歌うのに困ってしまうような気がします。

一方、音の種類の方は、物理的・数学的な特性に基づいて定着していったものなので、厳密には細かな違いがあるものの、概ね世界中で大きくは変わらないというのは、大変興味深いものです。
音とは、物体の振動が空気の振動(音波)として伝わるもので、振動数の比率が単純な整数になるものを組み合わせると、調和の取れた音(ハーモニー)になることから音階の概念が生まれました。
例えば、「ド」の2倍の振動数の音は、1オクターブ上の同じ、「ド」という音になります。
「ド」の1.5倍上(比率的には「2:3」の振動数)の音が「ソ」、「ソ」の1.5倍上の音が「レ」のようにして、ドレミ・・・が生まれたと考えられています。
ここら辺の詳しい話は、ここ(調律について)がわかりやすいです。
純正律からシントニックコンマの問題、紆余曲折を経て平均律が生まれるまでの過程が実際に音を聴き比べながら理解することができます。
この12音階から大きく外れた音楽は、クラシックを経て現代音楽と呼ばれるジャンルで模索されていますが、
やはり数学的な理論に基づくハーモニーは強固なもので、大きく注目されるような全く異なる理論に基づく新音楽というのは、なかなか生まれないようです。

(浩)

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