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2005年8月

韻律と語音

私たちはコミュニケーション手段として、「音声」を毎日使っています。「音声」は「韻律(いんりつ)」と「語音(ごおん)」という2大要素からできています。
ここでは、この「韻律」と「語音」について紹介しましょう。

◆「韻律」

「韻律」とは、音声の強さ・長さ・高さ、さらにそれらの反復によって作り出される言葉のリズムのことです。
「韻律」は、呼吸のうちの呼気(こき)つまり吐く息で作られます。その呼気が、俗に言う喉仏(のどぼとけ)の中にある声帯を振動させます。声帯を調整することで、この振動の強さ、長さ、高さが変化し、音声の「韻律」が作られます。

◆「語音」

「語音」とは、言葉を組み立てている部品である母音と子音のことです。各語音の音色の違いは、声道の形の違いにより作られます。声道とは、声帯から唇まで約17cmほどの長さの管のことです。声道の形は、舌・唇(くちびる)・顎(あご)・口蓋帆(こうがいはん:俗に言う「のどちんこ」)などを動かすことで変化します。声道の形が変わると、その共鳴特性が変化し、音の音色が変わるわけです。

「韻律」「語音」とも、日本語、英語、フランス語などの言語によらず同じ仕組みで作られますが、その変化のさせ方は、言語によって大きく違っています。また、スムーズなコミュニケーションが成り立つためには、「韻律」の方が大切であると言われています。

                                                                  (横)
参考文献
杉藤美代子(1995):『大阪・東京アクセント音声辞典CD-ROM』解説篇(丸善)
NHK(1985):『日本語発音アクセント辞典』新版(日本放送出版協会)
松村明(1998):『大辞林第二版』(三省堂)

音で気温を測る

暑い夏の話題が続きましたが、今日は、音で気温を測るお話です。

理科で次のような式を習ったのを覚えていますか?

  v = 0.6 × t + 331    [式1]

ここで、音速がv(m/秒)、気温がt(℃)です。たとえば気温が15℃の時の音速を計算すると、340m/秒。時速になおすと1224km/時。これが15℃のときのマッハ1です。

[式1]を書き換えると、

  t = (v - 331) / 0.6  [式2]

となります。[式2]を使うと、たとえば音速が352メートル/秒のときの気温は、「35℃」というふうに計算できます。

マイクとスピーカを10m離しておいて、スピーカから音を出してマイクで録音します。スピーカから出た音がマイクに29ミリ秒(0.029秒)後に届いたとすると、そのときの音速は約344.8メートル/秒(=10/0.029)。[式2]で気温を計算すると、「23℃」と求まります。

さて、従来の温度計の問題をご存知でしょうか?従来の温度計は気温を測っているのではなくて、実は温度計の温度を測っているのです。なので、温度計をその場所に十分長い時間おいて、温度計の温度を気温と同じにする必要があります。ここで紹介した方法は、マイクやスピーカの温度を測っている訳ではなく、それらの間にある空気の気温を瞬時に測っています。気温がはやく変化するような場合でも測定できる優れものなんです。

                                                                     (太)

夏の音(3)

夏の甲子園(全国高校野球)が始まり、はやベスト4が出揃いました。毎日、熱戦を繰り広げる甲子園球場は、 古くから高校球児あこがれの夢の大舞台として、今も変わることはありません。惜しくも予選で敗退し、 その大舞台に立つことが出来なかった球児らの夢も背負い、代表校の選手らは、その一球一球に青春をかけているのだと思います。

甲子園と言えば、その風物である「ウゥーーーー」 というサイレン音が思い浮かびます。試合開始のサイレンは「いざ、プレイボール!」。君たち代表校の熱き魂を見せてくれ、 と言わんばかりのけたたましさ。試合が終了した時は、「よくぞ戦った。勝ったものも、負けたものも、互いの健闘を称えあおう」 というように聞こえます。

甲子園のサイレン音が特徴的なのは、サイレンが止まってからの残響音の長さです。サイレンが完全に鳴り止まぬうちに、 先頭打者が初球打ちで塁上に立つことも珍しくありません。

一説によると、このサイレンは、一般型のサイレンとは異なる機械で、大きな球場内に高らかに響き渡るように、 特に高音域(音響周波数1400Hz)の音がよく出る設計となっているようです。くわえて、円筒形を施した甲子園球場のアルプススタンドで 「こだま」して、相手校へのエールとなって、互いの健闘を称えあっているようにも聴こえます。

さぁ、今年の全国高校野球選手権大会の頂点は果たしてどこなのか、最後の最後まで目がはなせません。
                                                                                                                                                     (松)

夏の音(2)

蝉(せみ)の鳴き声が聞こえると夏であることを実感します。去年はニューヨークの蝉の大発生が話題になりましたが、そのうるささは隣の人と会話のできないほどだったそうです。

ツクツクホウシの鳴き声

ヒグラシの鳴き声

蝉は鳴くのは雄だけで雌は鳴きません。雄は鳴いて雌を呼び交尾をします。雄がどこで鳴いているかというとお腹です。雄の腹部は、音を作る部分と音を共鳴させて大きくする部分で構成されていて、人が発声するためのしくみと基本的には同じです。
蝉は体の大部分が楽器のようになっていて、体全身で鳴いているといった感じなので、小さいくせにあんなにやかましい訳です。
ニューヨークの蝉の大発生は17年周期だそうですが、日本には発生してほしくないものです。ちなみに雌が鳴かないのは、そのお腹に卵を貯めるためだそうです。
また、横笛の部位に「蝉」という個所がありますが、それは単に蝉の形をしているからだそうで、音のでる仕組みとはなんの関係もないそうです。

                                                 (土)

夏の音

みなさんは"夏の音"というと、どんな音を思い浮かべますか?セミの声風鈴の音波の音など、いろいろな音がありますが、私は、花火の「ド~ン」という音を一番に思い浮かべます・・・。

すでに全国各地で花火大会がはじまっていますが、私のイチオシの花火大会は、私の地元・秋田県の大仙市(旧・大曲市)で毎年8月に行われる「全国花火競技会」。

この大会は全国から花火師が集まり、腕を競う“競技会”で、日本最高峰の光と音の競演が楽しめます。競技会だから当然審査が行われるのですが、公式HPを見ると、なんと花火の「音」も審査基準の一つとなっています。一体どんな音が"よし"とされるのでしょうか?

「ぜひ会場で!」と言いたいところですが、遠くて行けないという方は、毎年NHKのBS放送でこの大会の模様が生中継されていますので、チェックしてみて下さい。
お腹に響く音は楽しめませんが、道路渋滞やトイレの行列を経験せずに、美しい花火が見られますよ。               

                                                                                   (幸)

hanabi1  hanabi2  
神奈川新聞花火大会(2005/8/1)

音声のことを楽しく学べるブログ、はじめました!

はじめまして、音声の専門会社のアニモです。

「音声」や「ことば」は身近なことでありながら意外と分からないことが多いですよね。このブログでは、そのような話題を扱っていきます。ご期待ください。まずは、アニモの活動分野を簡単に紹介しましょう。

■録音再生

 音声って空気中に放出されると、一瞬にして消えてなくなってしまいます。これを録音・記録・再生することは、永遠のニーズといっていいでしょう。これをはじめて可能にしたのがエジソンの蝋管です。それがレコード、カセットテープ、CD、ICレコーダと進化して、最近大流行のi-Pod、あの小さい箱になんと音楽が15000曲も入ってしまいます。
(関連製品:VoiceTracking http://www.animo.co.jp/products/record/index.jsp


■音声認識合成

 音声の内容をテキストに、あるいはテキストを音声に自動変換できれば便利です。これは音声認識、音声合成と呼ばれる技術です。カーナビや携帯電話で使ったことがある方は多いと思います。
(関連製品:FineSpeech http://www.animo.co.jp/products/tts/index.jsp

■音声認証

 人間は、声を聴いてこれは誰々の声だと分かります。これをセキュリティに応用したのが音声認証。声紋認証とも呼ばれています。いまバイオメトリクス技術の一つとして非常に注目されている技術です。最近、テレビや新聞でバイオメトリクス特集をよく見ます。
(関連製品:VoicePassport http://www.animo.co.jp/products/authentication/index.jsp

■携帯電話向けコンテンツ

 携帯電話は、音声でコミュニケーションするツールです。最近は、文字でのコミュニケーションの方が多いかな。でも文字も「ことば」。携帯電話を使った音声・ことばに関する楽しいコンテンツが目白押しです。
(関連製品: http://www.animo.co.jp/products/contents/index.jsp

■音のバリアフリーから音のユニバーサルデザインへ

 アニモでは、障害のある方、高齢の方のためのバリアフリー製品を開発販売してきました。たとえば、喉頭癌で声を失う方にもとのご自分の声でコミュニケーションしていただく画期的な音声合成システム。 人は、障害のある方とない方に分けられるわけではありません。障害の程度というのは極めてアナログ的。極論すればまったく障害のない方というのはいないのかもしれません。ヒューマンインタフェースの技術というのは実はこの課題に対応する技術だったんです。
(関連製品: http://www.animo.co.jp/products/welfare/index.jsp
                                                                                                     (太)

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