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2005年10月

宇宙を表現する古代の楽器

「笙(しょう)」「篳篥(ひちりき)」「龍笛(りゅうてき)」この3つが雅楽に欠かせない管楽器の代表的な楽器です。それぞれ「天」「地」「空」を表現しており、合奏することで宇宙を作り上げるのだといいます。

奈良時代から1300年間雅楽を世襲してきた樂家、東儀秀樹のコンサートを初めて訪れたのは5・6年前のことでした。ホテルの広間に響き渡る篳篥の音にすぐに全身鳥肌がたちました。十数年前に聞いた喜多郎のシンセサイザーも、シルクロードの情景が一瞬にして目の前に広がる感動を覚えていますが、さすが現存する世界最古の音、スケールが違います。全ての物質・思想・エネルギーをのみこむ宇宙空間が見えるのです。人間もまたひとつの宇宙なのだと知らされます。

東儀さんはそれを「音に細胞が反応する」と表現します。そんな彼はバイクや車好きでも知られていますが、外を走るオートバイの排気音だけで車種を言い当てることが出来たそうです。彼にとっては雅楽(古典)も排気音も歩く音もすべてが愛すべき音であり音楽なのだと語っていたのが印象的でした。

                                 (晶)

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手のひらにリズム

音楽は耳で楽しむもの。
当たり前のようにそう思っていましたが、聴覚障害者向けのコンサートという一つの試みを目にしたことがありました。耳の聞こえない方がどうやって音楽を楽しむのか。それは和太鼓の演奏で、リズムを体感するというものでした。太鼓の音には遠くまで空気を震わす特徴があって、近くで聞くとおなかに響きますね。このコンサートではそれだけでなく、観客がそれぞれに大きな風船を一つ、両手で持っています。太鼓が空気を震わせ、空気の入った風船を持つことで、よりハッキリと太鼓のリズムを感じることができるというのです。そして演奏が始まりました。ステージに並んだ太鼓の音が、リズミカルにホールに響き渡ります。すると観客席からはどよめきが上り、驚いたような笑顔が漏れ、みな熱心に振動を感じていました。

コミュニケーションにはたくさんの可能性があるようです。

                                    (津)

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調律の話

趣味でギターを弾いたり、子供の頃にピアノやバイオリンを習った方も多いと思います。個人でギターやバイオリンを弾く前には、調弦をして弦と弦の音の高さを整えます。バンドやオーケストラなどの団体では、演奏を始める前にチューニングをみんなでして、楽器と楽器の音の高さを整えます。これによって、高さにずれがなくなり、きれいに鳴るわけです。ピアノの場合は、調律という言葉を聞いたことがあると思いますが、ようは同じことです。

ピアノの場合に違うのは、ほかの楽器はほとんど演奏者自身でチューニング(調律)をしますが、ピアノは調律師という専門の職業の人たちが作業をすることです。ピアノの場合、音の数が鍵盤の数だけありますし、その弦の張力も大変なものなので(ピアノ1台で2トンにもなるそうです)専門職でないと無理なわけです。調律師は、耳を訓練することも必要で、一人前になるには10年かかるなどといわれます。

ホールなどに行くとほとんど必ずピアノがあるので、ピアニストはふつう演奏会場のピアノで演奏しますが、世界的に有名なピアニストには、自分の好みのピアノを持ち込み、お抱えの調律師に調律させるという、なんともぜいたくなことをする人もいます。これは、音の高さを合わせればよいというものでない、調律師の仕事の奥深さと幅広さを意味しているのですが、話が長くなるのでこのへんで。
                                                                                                             (斎)

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日本人はなぜ英会話が苦手?

日本人は英語の読み書きはかなりできますが、会話が全くダメですね。どうしてなんでしょう。

通信の世界では、プロトコル(通信規約)を実装すれば、通信が可能になります。ことばの世界では、単語や文法などが通信のプロトコルにあたります。中学高校で、あれだけ英語のプロトコルを勉強したのにぃ、と思う方は多いはずです。ということは、我々の脳には、英語の読み書きのプロトコルは実装されているけど、会話のプロトコルが実装されていない。

では、読み書きのプロトコルではない会話のプロトコルとは何でしょうか?それは、韻律やパラ言語なんです。我々は、英語の韻律やパラ言語の規約が分かっていないので、聴けないし、話しても通じないのです。

実は日本人が苦手な「R」と「L」の発音の違いなど、英会話の成立にはほとんど関係ありません。アメリカで生活している日本人で、米[rice]と虱(シラミ)[lice]の違いで困った方は皆無です。日本人の喋る英語は、子音の後に母音が湧き出すというけれど、私の知り合いのイタリア人の英語には母音がバンバン湧き出しますが、彼は英会話で困ったことはないと思います。

そういえば、私が通った中学高校には、英語の「R」と「L」の違いのことは教えても、英語のパラ言語を教えられる英語教師はいませんでした。

                                 (太)

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パラ言語

以下の2つの声を聴いてみてください。

1.「ありがとうございました。
2.「ありがとうございました。

文字で書けば同じ文であっても、しゃべり方によって印象が全く違ってしまいます。このような違いを伝える情報をパラ言語情報といいます。パラ言語情報は、音声で情報を伝える場合に発話者の真意を表現する重要な役割を担っています。声の高さの変化、音量、スピード、声質などプロソディと呼ばれる音声の成分で伝えられます。

メールや伝言メモなど文字だけのコミュニケーションではパラ言語情報が伝わらないため、真意が伝わらず思わぬ誤解を招くことがあります。メールを書く方は当然ですが、受け取る方にも配慮が必要だと思われます。

携帯メールでは、パラ言語情報を伝えるために絵文字が発達したのだと考えられます。

                                              (太)

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