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2006年3月

「自然にある音」

"木の葉のそよぐ音"、"小川のせせらぎ"、"小波"これらの自然にある音は非常に心地よく、聞いていてとてもリラックスできます。

小川のせせらぎ

小波

これらの音に共通するものは「1/fゆらぎ」という現象です。「1/fゆらぎ」は人の心拍リズムにも含まれます。人は「1/fゆらぎ」の刺激を、心地よく感じます。

「1/fゆらぎ」には規則性と不規則性が同居しています。規則正しいだけあるいは不規則なだけでは心地よさは生まれません。「1/fゆらぎ」は規則性と不規則性のブレンドが絶妙です。

普段街中で聞く不規則な騒音は不快に感じるものです。しかし、騒音の中にも「1/fゆらぎ」のものがあります。普段多くの人々が利用している電車の音は「1/fゆらぎ」になっています。あれほどの騒音の中でも人が眠くなるのはそのためです。

街中の騒音

電車

大きな騒音でも「1/fゆらぎ」に変換できれば、苦情を減らせる可能性がありますね。目を瞑って、身の回りの音が「1/fゆらぎ」であるか、そうでないかを聞き分けてみると、新しい発見があるかもしれません。

(秋)

「春の音」

「ホーホケキョ」

昨日、家の近くで今年初めて鶯の声を聞きました。東京では桜も開花し、春が来たのを実感しています。

草木の緑色や花の香りなど、春の訪れは視覚や匂いで感じることが多いように思いますが、春には春の音もあります。鶯などの鳥のさえずりは一番身近に春を感じられる音でしょう。気分が一気に明るくなりますね。猫の鳴き声も盛んに聞こえるようになるのも春のしるしですね。また、木々の葉が風に吹かれてさわさわと揺れる音は春特有の音かもしれません。柔らかい葉同士が擦れるやさしい音です。

雪国などの寒い地方では特に音で春を感じられるようです。雪深い地方では、冬は雪に覆われて「外部の音が消える」感覚なのだそうです。雪が音を吸収するのでしょう。雪解けの音をはじめ、車の走る音など、外の音が聞こえるようになって、春がやってきたと実感するそうです。

冬から春に変わる音。耳をすませば色々な音がありますが、音や色、匂いなどを含め、新鮮で柔らかな春の空気をこれからしばらく味わえそうです。

(柏)

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カラオケとエコー

みなさんはカラオケに行かれますか?私もお酒を飲んだ後、誘われて行くことがときどきあります。カラオケは、プロのように歌がとても上手じゃなくても、歌が好きであれば楽しめるものだと思います。

カラオケを楽しむ要素はいくつかありますが、要素の1つとして、歌っている人の歌が上手じゃなくても、それなりに心地好く聴こえるという点が挙げられます。(「心地好く」は少し大げさですが。。。)

その心地好く聴こえるための要素の1つして、エコーがあります。エコーとは本来「やまびこ」という意味で、山で「やっほー」という言うと声が返ってくるアレです。一般的に、エコーには2つの種類があります。1つは Delay(ディレイ) 、もう1つは Reverb(リバーブ)。Delay(ディレイ)は、やまびこをイメージしていただけるとわかりますが、言葉が聴き取れる長さで繰り返して反響している状態です。Reverb(リバーブ)は、Delay(ディレイ)の繰り返しですが、反響している1つ1つのディレイの音が区別できない状態です。音楽の演奏ホールで音が響く感じ(残響)をイメージしていただくとわかると思います。音楽の演奏ホールは壁などに音が反射し、ホールのお客さん全体へ音が届くよう設計されています。また、この反射した音が、聴衆へ心地好い残響として届くようにも配慮され設計されています。

カラオケのエコーと言われているものは、この Reverb(リバーブ)にあたりますが、音楽の演奏ホールのような残響を機械的に作り出しているのです。残響音が心地好く聞こえる理由はまだ明確になっていないようですが、そもそも日常の生活で音を聴く場合、元の音以外にどこかに反射した音も必ず聴いているのが普通であり、残響がないと逆に不快に感じることは確かです。試しに今度カラオケのマイクエコーを絞って見て歌って見てください。とても、聴き心地(歌い心地)が悪いはずです。

ちなみに、カラオケに限らずプロの歌のレコーディングでもリバーブは利用し、心地好い音に加工しているそうです。

みなさんもカラオケに行ったときには、ぜひエコーを活用して楽しく心地良い時間をお過ごしください。

かえるのうた(エコーなし)

かえるのうた(エコーあり)

(土)

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耳の自動訂正機能

私たちが言葉を聞いているとき、一音一音を聞き取っているわけではありません。その証拠に、まったくランダムに発せられた仮名の音を聞き取ることはできません。

sample00

私たちは、すでに耳にしたことのある音の列を基にして、まずは、次に来る音を予測しながら、言葉を理解しようとしていると考えられています。この過程において、音が聞こえづらい場合などに、予測に頼ろうとするあまり、より馴染みのある音への置換が起こることがしばしばあります。

これは、ちょっとした聞き間違えや、外国語の曲が日本語のように聞こえたりする現象として経験された方も多いでしょう。

しかし、この無意識のうちに行われる予測→置換は、いわば「耳の自動訂正機能」として、人間のコミュニケーションを円滑に行うために、重要な役割を果たしています。新しい「若者言葉」や固有名詞、外国人の名前など、初めて聞く言葉に対して、最初に聞いた時こそ戸惑いますが、次からは案外、違和感なく聞いて理解しているはずです。

最後にちょっとした実験を。去年であれば、もしかしたら聞き取れなかったかもしれません。

sample02

すっかり耳馴染みとなった今では、多少音が違っていても、もうそのように聞こえませんか。特に印象的なあの「技名」は。

sample01

(佐)

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気温と音

今年はスポーツの国際試合の多い年です。トリノオリンピックの興奮も覚めやらぬ中、次はWorld Baseball Classicが始まります。

最近の東京は寒波が戻ってきており、選手の体調維持が心配なところです。一次リーグ開催場所の3月の平均気温を比較すると、以下のようになります。

日本・東京 :12℃~5.4℃(最高~最低気温。以下同様)
米国・アリゾナ州フェニックス 23℃~8℃
米国・フロリダ州オーランド 24.3℃~19.4℃
プエルトリコ・サンファン:26。6℃~23。2℃

この気温差は音の世界で、どのような変化をもたらすでしょう。

まず、気温が高いと音は早く伝達され、低いとゆっくりと伝わります。
(当Blog「音で気温を測る」参照)

また、トランペットなど管楽器のように空気柱が共鳴して音を出す楽器では、気温があがると音程は高くなります。呼気で管内の空気が温まり音程が上ずることが知られています。

東京とサンファンで比較すると、最高気温で14.6℃サンファンのほうが高く、10Hzほど音が高く鳴る理屈です。この10Hzの違いはこんな感じです(440Hzと450Hzを交互に再生します)。

440Hz450Hz.mp3speaker

BaseBallを「野球」と邦訳した正岡子規の俳句をひとつ。

  今やかの 三つのベースに 人満ちて そゞろに胸の 打ち騒ぐかな

ボールをとる音、バットで打つ音で、気温の違いは分かるのでしょうか?私は分かるような気がします。

ヒッティングの音speaker

(一)

mail

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