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2006年7月

「シズル」

7月23日(日)は土用の丑の日でした。

かくいう私もその日に商店街に出かけ、うなぎを探し歩きました。鰻屋はどこも盛況で、店の前で煙を出しながら大中小の鰻が次々に焼きあがっていきます。

よく「鰻はにおいで売る」と言われますが、人が鰻をうまいと感じるのはにおいの他に音にもあると感じました。

ステーキなどを焼く音を「シズル」と最近は言うらしいです。シズルは英語のsizzleで、辞書を引くと「じゅーじゅーいう音」「鉄板で肉を焼く音」「肉汁のしたたる音」などが出てきます。

そもそもシズルは広告、マーケティング業界では広く使われている言葉であり、音が消費マインドを揺さぶることの有効性に着目しているそうです。さながら鰻屋の場合は、焼ける音、においでシズル感をだし、買い手の財布の紐を緩ませる、といったところでしょう。

とにもかくにも、この日だけはスーパーでパックで買わずに、いい音のする鰻屋で鰻を手に入れました。あの焼ける音を思い出しながら頂き、やはり最後は味覚で「うまい!」と感じました。

(両)

「韓国のNANTA(ナンタ=乱打)に感激」

韓国ドラマや映画が大好きな私は、先週初めて韓国に旅行に行きました。南怡島や春川・チャングムツアー・明洞・南大門・仁寺洞を満喫した後、NANTA(ナンタ)を観劇。

NANTAを漢字で書くと「乱打」。音と動きだけで構成された非言語劇です。キッチンを舞台に鍋・まな板、包丁、泡立て器、ボウルなどありとあらゆる物を楽器にし、ストーリーとともに乱れ打ちの激しいパフォーマンスが展開され、見ている人を釘付けにしてしまいます。

また、韓国伝統の四物(サムル)ノリ(農楽から生まれた)リズムとボディランゲージが調和し、劇場が笑いと拍手の渦に。体中に響くビートとリズムそしてテンポの良さ、言葉を使わず各国の人がひとつになれる舞台に感激してしまいました。子供から大人まで楽しめますので、韓国に旅行に行く事がありましたらあなたも体感してみてください。体中が震え、鳥肌が立つこと間違いないです。

(晴)

「トルコの音」

最近、トルコを旅行しました。

巨大なモスク(ドーム)の中でコーランが唱えられるのを聴いた時、あらためて残響が与える“心理的効果”を実感しました。

言葉は分からなくても、何だかおごそかな気持ちになるのは多分に残響の影響かと思います。宗派が違いますが、キリスト教でも、天井が高く残響の大きい教会で、同様の効果を感じます。

また、温度・湿度の違いによる音の伝わり方(伝播速度)も“心理的効果”に効いてくるのかもしれません。乾燥した気候のトルコの地で、澄み切った青空に、コーランを唱える声が響き渡るのは、なんだか人の心を感傷的にさせます。

もっとも、これらの“心理的効果”は、耳からの刺激だけによるものでなく、可聴域以外の音の成分(体感)、もっと支配的には、視覚から得られる情報と、先に刷り込まれている“知識”を結びつけることによる連想的・心象的なムーブメントなのでしょう。

(智)

「伝統文化の中での音の役割」

私たちは日頃から様々な「音」に囲まれて暮らしています。その殆どは本当は聞きたくない「雑音」ではないでしょうか?今日はそうした「雑音」のない世界をご紹介します。

日本の伝統文化の一つに茶道があります。私も詳しいことは良く知りませんが、日常を離れた茶道の世界には「音」についてもそれなりの約束事があるそうです。

お茶の席では、実際にお茶をいただくまでにいくつかのステップを踏みますが、順に主だったところをかいつまんでみましょう。

まずは、お茶席に入ります。にじり口という、なんとも窮屈な所から、頭を低くして、1人ずつ入ります。そして最後の人は自分が入ると、にじり口の戸をトンと軽く音をたてて閉めます。にじり口の戸をトンと閉めることにより、襖1枚隔てた場所で待機している亭主はその日にお招きしたお客様が席入りされたことを知ります。また、お客様にとっては、頭を低くして入ってきたことと合わせて、「トン」という戸を閉める音を聞くことによって日常の様々なことから切り離され、気持ちをお茶席モードに切り替える合図になるそうです。

正式な席では、お釜や床(とこ。ゆかではありません)などを一通り拝見した後、お茶をいただく前に簡単なお食事(懐石)をいただくことがありますが、この時使ったお箸の口をつけた部分をお膳の縁にかけて置きます。そして全員が食べ終えると、皆でそろってお箸をお膳の中へ落とし込みます。襖1枚隔ててこの音を聞いた亭主は、お客様がお食事を終えられたことを知り、お茶をお出しする準備に取り掛かります。(お箸を最後に落とすのには、お膳の中をいたずらに汚さないという気遣いの表れでもあるそうです。)

いよいよお茶をいただきます。この時になってやっと亭主が同席し、お手前を始めます。お茶をいただく時には基本的に音をたてずにいただきますが、最後の1滴をいただく時にだけ、スーっと音をたてていただきます。これを「吸い切り」といい、亭主に対して「私は今、お茶をおいしくいただきました」という合図を送ることになります。この合図を受けた亭主は次のお客様へお茶をお出しする(最後のお客様ならば、使った道具を納める)タイミングをとります。

日常生活で音による合図というと、大きな音を想像しがちですが、日本の良き伝統文化であるお茶の世界では、このようなごく小さな音が合図として立派に役目を果たしているのです。言葉だけに頼りすぎず、無言の所作を通じてお互いに意思の疎通を図る、日本流コミュニケーション術のなせる業と言えるかもしれません。

みんなで賑やかにお酒を飲むのは楽しくて良いことですが、時には日常の喧騒から離れて静かに過ごすのも良いかもしれませんね。(喧騒の源はお前だろっ!などという突っ込みはなしにして下さいね。)

水琴窟の音(44秒)

(裕)

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「夏の音色」

私が子供の頃には、夏になるとあちこちの家の軒先に風鈴が揺れていましたが、最近はめっきり減ってしまいました。エアコンが普及して、室内は涼しくなり、また防犯のために窓を開けっぱなしにすることも少なくなったからでしょうか。

私がなじみ深いのは、まるいガラス製のいわゆる江戸風鈴です。金魚などの絵柄も涼やかですね。風鈴の材質にはガラス以外に、真鍮、アルミ、木などが使われるほか、南部鉄器、備長炭、火箸などによる趣向を凝らしたユニークな物もあります。

風鈴が風に揺られて、チリリ~ンと鳴る音に耳をすますと、なんとも時間がゆったりと過ぎてゆくように感じられます。
実はあの「チリリ~ン」という音色には高周波領域の音が含まれています。高周波音は、自律神経を整えたり脳を活性化させるなど、さまざまなリラックス効果があるといいます。小川のせせらぎや小鳥のさえずりなど、自然の中のいわゆる「癒し」の音にも、同様に高周波音が含まれています。

夏の夜には、一日の疲れを風鈴の音に癒してもらうのも良いですね。

風鈴の音(30秒)

(津)

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