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2007年3月

「チンする」

一人暮らしをしているよくお世話になる電子レンジ。電子レンジで料理を温めることを「チンする」とよく言いますね。

これは、有名な話ですが、シャープが日本で最初に家庭用の電子レンジを発売した際に、開発を行っていた研究所の近くに自転車屋があり、そこで自転車のベル」を買ってきて、タイマーが終了したら、そのベルを鳴らしていたことがきっかけだとか。当時はまだ電子化されていなかったので、タイマーもゼンマイ式、ベルも機械仕掛けだったので、似た音になったとのこと。
それが、日本全国で、「電子レンジで料理を温めること」=「チンする」と言い換えられるほど、言葉になるとは夢にも思わなかったことでしょう。

でもどうして「チンする」なんて言い方が定着したんでしょう?
調理をする日本語には、「煮る」、「炒める」、「焼く」、「蒸す」、「揚げる」、「茹でる」等ありますが、「温める」という調理法は、きっと無かったのではないでしょうか? 「温める」というのは、調理法ではないですが、電子レンジの出現によって、初めて調理法として、のし上がってきた。
そんな新参者の調理法に、新しい名前「チンする」がつけられた。どうなんでしょうね。
勝手な素人考えでした。

ちなみに、動作音が、そのまま言葉になってしまった身近なものって、こんなものがありました。

「ピンポンする」(玄関で呼び鈴を鳴らす)

(鈴)

「嚥下音」

ゴクゴク、ゴクッゴクッもしくはゴキュゴキュ、ゴックン、などなど、食べ物や飲み物を飲んだ時にのどからおいしそうな音がでますね。この音は嚥下音と言うらしいです。

私はこの音がすごいので、良く「おいしそうに飲むねぇ」なんて言われてしまうわけですが、やはり困った事はあるものです。映画館で飲み物を飲む時や、***なシーンで唾を飲む時。こんな時はできれば音がしない方がありがたい…。

ちなみにこの嚥下音、食べ物や飲み物と一緒に空気が狭い食道に押し込まれる為音が鳴る、という仕組みのよう。つまり、飲み込む時に空気が入らないようにすれば音は鳴りにくいはず。と思ってやってみようとしたんですけど…これがまた難しい。

色々試行錯誤した結果、下を向いて飲み込めば嚥下音がしにくいという結論に達しました。私と同じような方、1度お試しを。

また、この嚥下音、摂食・嚥下障害などの診断にも利用されています。音で医療に貢献できる事ってまだまだありそうですね。

(尻)

「関西人検出アルゴリズム(その1) ~母音の"う"~」

「あいうえお」を力を抜いて発音してみてください。「う」を発音するときのあなたの唇の形はどうなっているでしょうか?カガミで見ると分かりやすいです。唇を円くして前に突き出しているあなた、関西人ですね。あなたの「う」が世界標準です、ご安心ください。唇が平らになっているあなた、あなたの「う」は日本語の東京方言の「う」になっています。この「う」は、日本語に独特の音なんです。

では平唇の「う」と円唇の「う」は音響的に何が違うのでしょうか?下の図を見てください。両方の「う」を続けて発音しています。スペクトログラムの下から2番目と3番目の縞(第二フォルマントと第三フォルマント)の周波数が低くなっていることが分かります。

平唇の「う」と円唇の「う」、日本人が聴くと同じ「う」の音に聴こえます。でも外国人の方にはたいそう違う音に聴こえることでしょう。むかしむかし、関西の家電メーカが開発した音声認識装置が、東京支社の社員の声を認識しにくいという話がありました。「う」の音の違いが原因だったのかもしれません。

(太)

「母はパパ」

大昔の絵を見ることはできますが、エジソン以前の昔の音/声は聞くことができません。

私が幼少の頃、蒙古の英雄を「成吉思汗(ジンギス・カン)」と習いましたが、現在は原語の発音に忠実に「チンギス・ハン」のほうが一般的です。でもなぜ12世紀の日本人は「ハン」を「カン」とカン違いしたのでしょうか?これはカン違いではありません。驚くなかれ、当時日本には「ha」と発音する日本語が無かったのです。やむを得ず「han」に一番似通った音である「カン」を当てたのです。

清音と濁音の関係について、100年前の明治時代に上田万年という学者が面白い発見をしました。「か→が」 「さ→ざ」 「た→だ」 「は→ば」これを口に出して読んでみてください。か行、さ行、た行の清音と濁音では、唇と舌の形が殆ど同じですが、は行の清音と濁音では、唇の形が全く違っています。何故でしょう?この問題は、「は」を「pa」と発音することにより解決されます。

「は」の発音は上古時代には「pa」、その後「Φa」になってから現在の「ha」に変化したというのが定説だそうです。

昔、「母」は「papa」と呼ばれていたのです。

(兼)

「万国共通の悲鳴」

先日台湾に旅行に行き、ホテルそばのマッサージ屋での出来事です。

足のマッサージをしてもらったのですが、これが結構痛い。 しかも日本語が通じないので、「あー」とか言うしかない。気持ちいいときの「はぁ~気持ちいい」という「あー」と、痛いときの「ぎゃー痛いー」という「あー」を 聞き分けているようで、親父さんはにやりと笑っていました。

普段何気なく使っている非言語的な音声の違いは意外に 海外でも通じるんだと感じました。ちなみに帰り際に出てきたお爺さんは、日本人かと聞き違えるほどの流暢な日本語を話しました。

最初からお爺さんがいれば、体のどこの箇所が悪いか聞けたかも・・・

(両)

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