「この音、どこから聞こえる?」
なぜ我々は2つの耳を持っているのでしょうか。それは音の方向を認識する機能と関係しているようです。そのメカニズムはとても複雑ですが、ここでは実験で証明されている聴覚現象について簡単に説明します。
実は、音源の角度によって、左右に到達する音の特性が異なります。例えば、左側にずれた音源の音は左耳に先に到達し、かつ左側の振幅の方が大きいです。そういった情報を脳がすばやく処理し、その音源が左側にあるという情景がイメージされます。
また、到達時間と振幅のほかにも、内耳に到達する音の周波数特性も左右で異なります。簡単にいうと、音源が横にずれている場合、左右で音色が違うということです。その音色の違いは、主に耳や頭の形等によるもので、マネキンを使った実験で測定されています。
そういった原理をうまく利用しているのがステレオという録音方式です。ステレオは、2つ以上のマイクで集音した音を2つのスピーカーシステムで再生する仕組みです。
ステレオで音楽を聴くとき、それぞれの楽器の音がだいたいどこから聞こえてくるかわかります。例えばバイオリンとピアノのソナタの場合、奏者のうち誰が左でだれが右にいるのか、いろんな演奏を聞きくらべながら想像するのも一つの楽しみです。
(桜)
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そうですね。「前後」と「上下」も同じく特性の違いで認識できるようです。
もしご興味がありましたら、下記サイトを御覧いただければと思います。
http://sound.media.mit.edu/resources/KEMAR.html
投稿: 桜 | 2011年1月12日 (水) 09時58分
「前後」という観点ではどうなんですか?あと「上下」とかも?
投稿: Hiroki Tee | 2011年1月 5日 (水) 11時09分