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2012年6月

空中聴音機

現在はレーダー(Radar)で何でも測定できると普通に思っていますね。
レーダーが使われだしたのは、不幸にも第二次世界大戦の航空機の早期警戒のためでした。実用化では英国・アメリカに大きく後れを取った日本軍の敗因の一つに挙げられています。
それでは、レーダーで敵機発見する手段が無かった当時は、どんな方法で行っていたのでしょうか? 実は「空中聴音機」というスピーカのお化けみたいなものを使って、遠方からの航空機の音を集音して聞き分けていたそうです。写真などはフリー百科事典「ウィキペディア」の「聴音機」のページを見て下さい。面白いですよ。
精度は、固定された音源なら方向と高度差を1度単位で聞き分けられ、8km先が限界だったとか。当時のアメリカの対空レーダーの索敵距離が、150海里(270km)だったのに比べると、あまりにも心もとないものですが、視力に頼れない夜間や天気の悪い日には、大真面目に使われていたそうです。

しかし、水中となると今もソナー(SONAR)は、最新のテクノロジーですね。
水中では、光も電波もすぐに減衰してしまうので、音波・超音波が主役の測定手段です。

(鈴)

歌う方も聴く方も唸ってしまう歌

モンゴルの「ホーミー」をご存知でしょうか。
1人の人間が同時に2つ(ときには3つ)の異なる音声を発する、驚くべき歌唱法のことです。低いうなり声のような一定の音を維持しながら、同時に笛のような高い音を発声します。先日訪れたモンゴル料理のお店で、初めて生のホーミーを体験することができました。高音は、笛のような鳥のさえずりのような、人間の声とは思えないな んとも不思議な音色で、うなるような低音とのハーモニーがたまらなく魅力的でした。

ホーミーは、地域によってホーメイともフーメイとも呼ばれ、アルタイ山脈周辺民族に伝わる歌唱法です。喉と口腔を利用して音を共鳴させることから、総じて喉歌と呼ばれています。ちなみに「ホーミー」とは、モンゴル語の「喉」という言葉に由来しているとか。起源は諸説ありはっきりしていませんが、小川の流れを真似たとか、岩山を吹き抜けていく風の音を真似たことが始まりと言われています。遊牧民たちの楽しみとしてだけでなく、家畜への呼びかけにも使われ、授乳したがらない家畜にホーミーを聞かせると授乳するようになるという説もあるとか。一説には、ホーミーを聞くことにより脳内にアルファ波が出るとか出ないとか…。是非はわかりませんが、そんな力もあるかもしれないと思わされる音色です。

舌を口蓋に触れないように近づけて、口腔内を2つの空間に区切り、そこで声を共鳴させるというのですが、かなりの練習が必要。また、肺機能にも負担が大きく、間違った方法で練習すると肋骨がずれるとも言われています。ちょっと試してみましたが、もちろん高音が出るには至らず。練習する場所を選ばないと周囲から変な目 で見られてしまいそうです。

自然の音を真似るところから始まったホーミー。いつかモンゴルの大草原の真ん中で、吹き抜ける風や流れる小川の音と一緒に耳を傾けてみたいものです。

(瑠)

言語の伝来

普段私たちは何気なく言葉(言語)をコミュニケーションの道具として使っていますが、現在世界には数千の言語が存在すると言われています。一体そのルーツはどこにあるのか、非常に気になるところですが、大局的には、各地で独自に発達してきたか、どこかにルーツがあって、それが伝わる中で次第に変化してきたか、という二説になることはある程度想像できます。

これに関連して、昨年一つの研究結果が発表されています。
「世界の言語はアフリカから離れれば離れるほど、音素(言葉の最小単位の音)の数が減っていく」ことを突き止めたオークランド大学のアトキンソン博士が、「すべての言語はアフリカ言語が元になっており、伝播の過程で音素を失っていった」と発表、現在その説が支持を集めているそうです。

【主な言語の音素数】(MailOnline 17th April, 2011より抜粋)

  • ハワイ語: 13
  • 日本語: 20
  • タガログ語: 23 (フィリピン)
  • 韓国語: 32
  • 中国語(マンダリン): 32
  • フランス語: 37
  • ロシア語: 38
  • ドイツ語: 41
  • 英語: 46
  • クルド語: 47 (イラク)
  • ダハロ語: 59 (ケニヤ)
  • ハザ語: 62 (タンザニア)
  • アイルランド語: 69
  • アチ語: 91 (ダゲスタン共和国/ロシア)
  • シュー語:141(カラハリ砂漠/南アフリカ)
  • サン人のブッシュマン語: 200(南アフリカ)

おそらく多種多様な理由、形態で言語は伝わり、変化していったのでしょうが、言語(言葉)が他の言語へそのまま取り込まれる例は、皆さんよくご存じのことと思います。
そこには、文化的な影響力の強さが反映されているケースが多く見られます。中世から近世にかけて、アラビア語圏で文化が飛躍的に発展し、特に化学分野で当時の欧州はじめ諸外国がその知識と語彙を積極的に取り入れたため、現在の化学用語の中にはアラビア語起源のものが多く存在していることは広く知られています。
日本にはそれらが、古くは漢語を通して、その後ポルトガル語やスペイン語、オランダ語を通して、そして明治以降は英語やフランス語を通して入ってきたようです。
(化学用語例;アルカリ、アルコール、ガーゼ、ギブス、ソーダ等)

さて、翻って現在の日本語を見てみるとどうでしょう。
「Sukiyaki」や「Sushi」、「Tempra」など食文化に関する言葉はもとより、「Kaizen」、「Zai-tech(財テク)」などの経済用語、「Karaoke」や「Koban(交番)」に留まらず、最近では「Manga」や「Otaku」などなど、日本文化の象徴であるこうした新しい単語が次々と英語を中心とした外国語に取り入れられています。

約7万年をかけて、音素数が少なく最も進化した日本語が、今度は逆に世界に向けて、その文化とともに強力なメッセージを発信しているということが言えそうです。全ての言語のルーツとされるアフリカの人々にも、7万年の時を遡り、こうした日本の文化的メッセージが届くことを切に願いたいと思います。

(摸)

音楽を聴くと仕事がしたくなる?

何か作業をするときに、聞きなれた音楽をかけると作業がはかどるなぁ…と感じたことはないでしょうか?
なかなかやる気が出なくて億劫なときも、音楽を聴けばなんとなくやる気が出て、次第にエンジンがかかってくるといったことがよくあります。

学生のころは親や先生に「ながら勉強はするな」と言われたものですが、仕事を始め、プログラムを書くことを覚えてから、作業中にいつも音楽をかけていたら、気分が乗らないときでも自然と作業に集中できるようになっていました。

「パブロフの犬」で有名な条件反射の実験をご存じでしょうか?
犬に食事を与える前にベルを鳴らすという行為を繰り返した結果、犬はベルの音を聞いただけで、唾液をだすようになったという実験ですが、音楽を聴くことで集中できるというのも、この条件反射に近い心理のように思います。

げんを担ぐ行為や、「ブリショットルーチン」という、スポーツ選手が本番前に行う一連の動作も、条件反射に基づいた行動なんだそうです。

パブロフ犬を思うと、自分はそんなに単純ではない!と思うかもしれませんが、日常生活に条件反射を取り入れてみるのも、意外と効果があるかもしれません。

(中)

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