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心の歌

難聴とされていた作曲家の作品が、実はゴーストライターによって作曲されていたことが最近話題になりました。それはとても残念で、多くの人が絶望したに違いない。
難聴を抱えながら作曲できるなんて常識を逸する、信じがたい能力ですが、過去にベートーベンという歴史的な例外があったため、人々は簡単に信じてしまったのでしょう。

ところで、音楽の鑑賞には、客観よりも主観・感性が大きくかかわるため、状況や固定観念なども影響します。そこで、感動させる別の要因があれば、そのとき聞いた音楽に特別な意味がインプットされ、心に残るようなことがあります。また、同じ音楽でも、異なる状況で聞けばまったく違う感情が湧いてきたりすることもあります。

このように、音楽の不思議な力というのは実は片方向のものではなく、人の心に眠る思いとのインタラクションから成り立つことに改めて気づきました。
コンサートなどで大勢の人が同じ音楽を聴いて感動するときも、実は人それぞれに違う思いやシーンが思い起こされているのではないかと思います。それは「心の歌」なるもので、自分にしか聞こえない貴重な響きです。ベートーベンもきっとそれを理解していたからこそ本物の傑作を生みだしたのでしょうね。

しかし、一見不愉快な話も、いろんなことに気付かせてくれますね。物事のとらえ方次第で世界の色が変わるものです。

(桜)

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