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2017年3月

偶然短歌

横浜の桜も見頃となりました。今年は「第33回全国都市緑化よこはまフェア」が開催されているため、街のあちこちで色とりどりの花壇を見ることができ、春の訪れを例年より強く感じられます。晴れた日にこうした美しい花々を見ると、俳句や短歌の一つでも…と思いますが、残念ながら私はそういった才能が全くなく、「プレバト」に出たら確実に凡人判定されそうです。

さて、俳句や短歌をゼロから作るのはなかなか難しいものですが、朝日新聞デジタル他の記事によると、すでにある文章から偶然にも“5・7・5・7・7”のリズムになったフレーズを抽出してつぶやく「偶然短歌bot」というTwitterアカウントが最近人気なんだそうです。「偶然短歌bot」では、我々がインターネットで調べものをする時によく使う「Wikipedia」の膨大な文章のなかから、短歌のリズムになっている部分をプログラムで自動抽出し、ツイートしているんだとか。

例として「偶然短歌bot」のツイートから3つ紹介します。

◆作品はコスチュームへの憧れとファンタジー性、そして戦闘
(ウィキペディア日本語版「子供向けアニメ」から)

◆対戦で軍配が大鵬に上がりながらも物言いがつき
(ウィキペディア日本語版「誤審」から)

◆ある道を右に曲がれば東大で、まっすぐ行けば公園なのね
( ウィキペディア日本語版「マッスル北村」から)

短歌として味わい深いかどうかという愉しみ方はもちろん、その出典を見てみると“その項目の解説になぜそんな文章が?”“Wikipediaにはこんな項目まで存在するの?”と思うことがあり、私はその点も面白く感じました。 IT系企業で働く者としては、他にもプログラムでインターネットから面白いものを抽出できないか?と思い、日本人としては、そういった偶然の産物に負けない名文が書けるようにならなくてはいけないと考えさせられました。

(幸)

言葉で奏でる音楽

遅れ馳せながら、直木賞受賞作品の「蜜蜂と遠雷」を2月に読みました。
ピアノコンクールを舞台に、天才たちがお互いに影響を与えながら切磋琢磨する姿や、その演奏する音楽を描いた作品です。特に作品中で演奏される音楽は、演奏者の心に浮かんでいる景色や感情を文章で描くという形で様々に表現されており、ネット上のレビューなどでも評価されているようでした(マサルが弾くリストのピアノ・ソナタ ロ短調だけは、付いていけませんでした)。
やや長い作品ですが、とてもテンポよく読めるので、休日に一気に読んでしまいました。

読んでいて残念だったのは、仕事で音声を扱ってはいるものの音楽の知識はほとんど無いこと、ほとんど音楽を聴いていないことでした。それでも十分面白かったのですが、実際にピアノを弾いたことがある人やコンサートに聴きに行っている人であればもっと楽しめただろうと思いました。
この作品を読むと、実際の曲はどんなものか聴きたくなるのですが、調べたところ、この作品に登場する曲が聴けるサイトがありました。作者が監修している有償サービスもあるのですが、ネット動画を集めたサイトもあったので、時間のある時に聴いてみたいと思っています。

(光)

バイノーラル録音

最近、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)が話題になっています。
VRやARは人間の感覚をうまく利用し、他の場所にいるかのような体験を可能にする技術で、医療や産業の現場などで活用されはじめています。
聴覚の観点では、その人がいる環境と違う場所の音を体験することが可能になれば、VRやARの目的が達成されたことになります。

録音・再生や再生時に得られる臨場感に関しては、オーディオやエンタテインメントといった分野で様々な技術や研究成果が蓄積されてきました。
その中で「バイノーラル録音」というものがあります。

バイノーラル録音は、耳の内部構造を考慮した録音方法です。
簡単にいうと、左右の耳の中に小さなマイクロホンを設置して録音するようなイメージです。実際は人間の頭の形を模倣したマネキン等を利用します。
そのように録音された音をインナータイプのイアホンで聞けば、音の「空間的な情報」がよりクリアにわかります。
例えば空を飛ぶ飛行機の音が上から聞こえたり、誰かに呼びかけられたときの声がその人のいる場所から聞こえたりします。
ただ、耳や外耳道の形に個人差があるため、うまくいかないこともあります。

バイノーラル録音が提案されたのはずいぶん昔ですが、いままで脚光を浴びたことはありませんでした。
一方、VRやARの進歩とともに聴覚の空間表現が注目されるようになりました。
その流れに乗り、バイノーラル録音の時代が到来するかもしれません。

(桜)

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