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2019年4月

音楽を買う

平成の終わりに伴ない、いろいろなメディアで平成を振り返る特集を見かけます。4月17日のYahoo!ニュースにも「CD売れて売れなくなった平成」という見出しが付けられたアーティストの小山田圭吾さんのインタビュー記事がありました。

【「音楽は空気の振動に戻りつつある」小山田圭吾と音楽の30年】

この記事の中に「音楽CDの生産金額とライブ・配信の売上高の推移」というグラフがあり、音楽CDの生産金額は1998年をピークに徐々に減ってきていることがわかります。
私が子供だった昭和の時代、音楽を買うと言えばレコードかカセットテープでした。それが平成でCDに変わり、令和が始まろうとしている今は配信(ダウンロードやストリーミング)が主流です。配信限定でリリースされる曲もどんどん増えてきています。私は未だにCDを買う派ですが、この1年を振り返ってみると1枚もCDを買いませんでした。「良さそうな曲がある」「あのアーティストが曲を出した」という時にYouTubeで検索すると、大抵そこで聴けてしまうからです。CDを買う派と言いながらも、品定めには結局無料配信を取り入れています。

先ほどのグラフからは、ここ10年でライブの売上が伸びていることもわかります。小山田さんのいう、“空気の振動”を特別なものと考える人が増えているのかもしれません。現状ライブは人数や場所の制約があり、誰もが参加できるものではありませんが、今後5G(超高速通信)が普及すれば、どこにいてもリアルタイムで、臨場感のある3Dライブを購入して楽しむことができそうです。令和の時代、音楽を消費するスタイルはどう変わっていくのでしょうか。楽しみであり、それについていけるのか少し不安でもあります。

(幸)

音の名前と演奏

私は趣味で楽器の演奏をしているのですが、演奏でよくやってしまう失敗が、「♯(シャープ)や♭(フラット)を落とす、あるいは不要なのにつける」というものです。ド♯を鳴らすべきときにドを鳴らしてしまったり、シを鳴らすべきときにシ♭を鳴らしてしまったりすることが、よくあります。ソを鳴らすべきときにラを鳴らしてしまうことなどもありますが、比較するとずっと少ないです。

その理由は、「♯や♭は、頭の中で歌っていないから」だろうと考えています。私は、演奏中は頭の中でドレミで歌っています。このとき、例えば、演奏する音が「ド♯、レ♯、ミ」だったとしても、頭の中で歌うのは「ド、レ、ミ」です。♯があるかなどは、別のところで意識しているのですが、それが、頭の中での歌と比べると、不確かなものなのだろうと想像しています。

そして、♯や♭を頭の中で歌わない、歌えない理由は、歌う音に収まらないからです。ひとつの音に収めやすいのは、「ド」や「ファ」のような一音節でしょう。「ミフラット」のような長い言葉を、ひとつの音にはめるのは困難です。

では、一音節で♯や♭も表せればよいのではないか。そう考えたときに、ドイツ音名に思い至りました。ドイツ音名は、「ド」~「ソ」を「C」~「G」、「ラ」を「A」、「シ」を「H」、「シ♭」を「B」とし、♯がつく音は対象の音に「is」を、「シ♭」以外の♭がつく音は対象の音に「es」をつけるというものです。例えば、「ド♯」は「Cis」です。「ミ♭」と「ラ♭」は例外で、「Ees」と「Aes」ではなく「Es」と「As」です。したがって、「Ais」と「Eis」以外はすべて一音節です。「Ais」と「Eis」も、二つ目の母音に子音がついていないので、なめらかにひとつの音にはめられそうです。しかも、ドイツ音名は、オーケストラや吹奏楽の団体では、一般的に使われています。

そこで、試しにドイツ音名で頭の中で歌ってみようとしたのですが、残念ながら簡単ではありませんでした。一音節といっても、「F」の読み「エフ」の「フ」や、#や♭がつく音の後ろの「s」が、少なくとも日本人の私には重く、一つの音に音名をはめるのがきついようでした。そして、ドレミほど身体にしみついていないことで、歌うことが難しいと感じました。

なお、すべての音の名前を日本語の一音節に収めることも、可能なはずです。「五十音」という言葉がありますが、日本語の一音節の種類は、50より多くあります。音階の音の種類は7つで、それに#、♭、♮(ナチュラル)、ダブルシャープ、ダブルフラットを加えたとしても42種類です。

そして、実際に、日本語の一音ですべての音の名前を表す方法が、過去にいくつか提唱されているようですが、いずれも普及にはいたらなかったようです。正確な理由として断定することはできませんが、やはり、人々の身体にしみついたドレミがすでにある状況に、たとえ合理的であっても、他のものを浸透させるのは容易ではないということかと感じています。

(祐 )

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