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2019年12月

古楽器

先日、期間限定で開催されていた東京国立博物館の「正倉院の世界」を見に行ってきました。土曜日に行ったせいもあってか、かなり混雑していて、じっくり展示物を眺めるのが困難なほどでした。
数々の貴重な資料、宝物の中で、やはり音に携わる仕事をしている身として、一音楽好きとして、螺鈿紫檀五絃琵琶に興味を惹かれました。なんでも、世界で唯一現存する五絃琵琶(古代のギターのようなもの)で、奈良・正倉院を代表する宝物の一つだそうです。
そして、長年の研究により実際に演奏可能な模造品が展示されていました。その音を聞いて思ったのが、ドレミ・・・で表現される現代の音階と変わらないものであることでした。

前回の記事で述べたように、当時の音程は今とは多少異なるものであったとは思われますが、いくつかyoutubeで古代の楽器の演奏を聴いてみた限りでも、やはり現代で馴染みある音域で調整するのが一般的であるようです。しかしながら音程が異なったものであったとしても、「ド」から丁度2倍周波数が高くなるとオクターブ違いの同じ「ド」の音色であり、1.5倍ずつ高くしていくと、「ド」→「ソ」→「レ」→「ラ」→「ミ」→・・・となっていき丁度12音で概ね同じ「ド」に戻ってくる(3/2の12乗が整数倍に近くなる)という音階の概念は、楽器というものが誕生した頃からあまり変わらないようです。

余談ですが、前述の最初の五音「ドソレラミ」のみで構成される音階が「ヨナ抜き音階」と呼ばれ、どこか懐かしい感じの親しみやすい曲に感じられるそうです。今年大ヒットした「パプリカ」も冒頭部分は、ほぼヨナ抜き音階で構成されています(イ長調なので「レ」と「ソ」がメロディーラインにほぼ使われていないことが分かります)。弦の長さを丁度2倍にしたり半分にしたら同じ音色になるので、あいだとって、3/2倍していくと、心地よいハーモニーが生まれる、というのはやはり不変の真理なのでしょうか。少しひねくれて、4/3倍ずつ音を定義していったらどんな音階が生まれるのか、今度実験してみたいと思います。(どこかで既にやられてそうですが・・・)

(浩)

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