「春の音」

「ホーホケキョ」

昨日、家の近くで今年初めて鶯の声を聞きました。東京では桜も開花し、春が来たのを実感しています。

草木の緑色や花の香りなど、春の訪れは視覚や匂いで感じることが多いように思いますが、春には春の音もあります。鶯などの鳥のさえずりは一番身近に春を感じられる音でしょう。気分が一気に明るくなりますね。猫の鳴き声も盛んに聞こえるようになるのも春のしるしですね。また、木々の葉が風に吹かれてさわさわと揺れる音は春特有の音かもしれません。柔らかい葉同士が擦れるやさしい音です。

雪国などの寒い地方では特に音で春を感じられるようです。雪深い地方では、冬は雪に覆われて「外部の音が消える」感覚なのだそうです。雪が音を吸収するのでしょう。雪解けの音をはじめ、車の走る音など、外の音が聞こえるようになって、春がやってきたと実感するそうです。

冬から春に変わる音。耳をすませば色々な音がありますが、音や色、匂いなどを含め、新鮮で柔らかな春の空気をこれからしばらく味わえそうです。

(柏)

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カラオケとエコー

みなさんはカラオケに行かれますか?私もお酒を飲んだ後、誘われて行くことがときどきあります。カラオケは、プロのように歌がとても上手じゃなくても、歌が好きであれば楽しめるものだと思います。

カラオケを楽しむ要素はいくつかありますが、要素の1つとして、歌っている人の歌が上手じゃなくても、それなりに心地好く聴こえるという点が挙げられます。(「心地好く」は少し大げさですが。。。)

その心地好く聴こえるための要素の1つして、エコーがあります。エコーとは本来「やまびこ」という意味で、山で「やっほー」という言うと声が返ってくるアレです。一般的に、エコーには2つの種類があります。1つは Delay(ディレイ) 、もう1つは Reverb(リバーブ)。Delay(ディレイ)は、やまびこをイメージしていただけるとわかりますが、言葉が聴き取れる長さで繰り返して反響している状態です。Reverb(リバーブ)は、Delay(ディレイ)の繰り返しですが、反響している1つ1つのディレイの音が区別できない状態です。音楽の演奏ホールで音が響く感じ(残響)をイメージしていただくとわかると思います。音楽の演奏ホールは壁などに音が反射し、ホールのお客さん全体へ音が届くよう設計されています。また、この反射した音が、聴衆へ心地好い残響として届くようにも配慮され設計されています。

カラオケのエコーと言われているものは、この Reverb(リバーブ)にあたりますが、音楽の演奏ホールのような残響を機械的に作り出しているのです。残響音が心地好く聞こえる理由はまだ明確になっていないようですが、そもそも日常の生活で音を聴く場合、元の音以外にどこかに反射した音も必ず聴いているのが普通であり、残響がないと逆に不快に感じることは確かです。試しに今度カラオケのマイクエコーを絞って見て歌って見てください。とても、聴き心地(歌い心地)が悪いはずです。

ちなみに、カラオケに限らずプロの歌のレコーディングでもリバーブは利用し、心地好い音に加工しているそうです。

みなさんもカラオケに行ったときには、ぜひエコーを活用して楽しく心地良い時間をお過ごしください。

かえるのうた(エコーなし)

かえるのうた(エコーあり)

(土)

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耳の自動訂正機能

私たちが言葉を聞いているとき、一音一音を聞き取っているわけではありません。その証拠に、まったくランダムに発せられた仮名の音を聞き取ることはできません。

sample00

私たちは、すでに耳にしたことのある音の列を基にして、まずは、次に来る音を予測しながら、言葉を理解しようとしていると考えられています。この過程において、音が聞こえづらい場合などに、予測に頼ろうとするあまり、より馴染みのある音への置換が起こることがしばしばあります。

これは、ちょっとした聞き間違えや、外国語の曲が日本語のように聞こえたりする現象として経験された方も多いでしょう。

しかし、この無意識のうちに行われる予測→置換は、いわば「耳の自動訂正機能」として、人間のコミュニケーションを円滑に行うために、重要な役割を果たしています。新しい「若者言葉」や固有名詞、外国人の名前など、初めて聞く言葉に対して、最初に聞いた時こそ戸惑いますが、次からは案外、違和感なく聞いて理解しているはずです。

最後にちょっとした実験を。去年であれば、もしかしたら聞き取れなかったかもしれません。

sample02

すっかり耳馴染みとなった今では、多少音が違っていても、もうそのように聞こえませんか。特に印象的なあの「技名」は。

sample01

(佐)

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気温と音

今年はスポーツの国際試合の多い年です。トリノオリンピックの興奮も覚めやらぬ中、次はWorld Baseball Classicが始まります。

最近の東京は寒波が戻ってきており、選手の体調維持が心配なところです。一次リーグ開催場所の3月の平均気温を比較すると、以下のようになります。

日本・東京 :12℃~5.4℃(最高~最低気温。以下同様)
米国・アリゾナ州フェニックス 23℃~8℃
米国・フロリダ州オーランド 24.3℃~19.4℃
プエルトリコ・サンファン:26。6℃~23。2℃

この気温差は音の世界で、どのような変化をもたらすでしょう。

まず、気温が高いと音は早く伝達され、低いとゆっくりと伝わります。
(当Blog「音で気温を測る」参照)

また、トランペットなど管楽器のように空気柱が共鳴して音を出す楽器では、気温があがると音程は高くなります。呼気で管内の空気が温まり音程が上ずることが知られています。

東京とサンファンで比較すると、最高気温で14.6℃サンファンのほうが高く、10Hzほど音が高く鳴る理屈です。この10Hzの違いはこんな感じです(440Hzと450Hzを交互に再生します)。

440Hz450Hz.mp3speaker

BaseBallを「野球」と邦訳した正岡子規の俳句をひとつ。

  今やかの 三つのベースに 人満ちて そゞろに胸の 打ち騒ぐかな

ボールをとる音、バットで打つ音で、気温の違いは分かるのでしょうか?私は分かるような気がします。

ヒッティングの音speaker

(一)

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「南極でする音」

「歌う氷山、南極大陸で発見される」

歌っているのは氷川ではなく氷山。この氷山は周波数0.5Hz(ヘルツ)程度の音波を出しているそうです(人が聞ける音の高さは20Hz~20KHz)。この音波を高速で再生すると蜂の群れ、オーケストラの音だしのように聞こえるそうです。

音声はこちらのサイトから聞けます。
http://abc.net.au/science/news/enviro/EnviroRepublish_1516768.htm

科学の進歩によって今まで聞こえなかった音を聞く事が出来るようになった反面、その弊害として南極の氷は溶解を続けている。氷山が歌っているのはどんな歌なのかを考えながら部屋の温度を少し下げてみた。

(寿)

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「韓国の音の銀行」

知識産業は21世紀の注目の産業です。その知識産業の一つとして文化コンテンツを挙げることができますが、その文化コンテンツは文化原型(つまり歴史、説話、文献資料など)をもとに開発したもので、幅広く用いられています。日本も韓国も事情は同じだと思いますが、一つ異なることがあって、紹介したいと思います。

「デジタルコリアルーツ」が開発した『韓国の音(ソリ)の銀行』がそれです。
ソリ銀行は音の産業別の活用範囲の拡大を目的に、1989年から15年間アナログテープとDAT, 6mmデジタルカメラで資料を集めました。その中から、面白くて独特な素材の音と韓国文化の優秀性を反映している音を対象に選抜し、デジタルコンテンツとして体系的に整えています。固有の音と現代の電子音で作られた音は、5600編(聞く音5000編+見る音600編)のデジタルコンテンツとして構成されていて、ドキュメンタリー、TV spot、着メロ、効果音、伝統文化の海外広報など幅広く活用されています。
ソリ銀行は大きく以下の四つに分けられています。

1. 伝統文化に登場する音
2. 口伝民謡に登場する音
3. 説話に登場する動物と自然の音
4. 近来の音とその他(ワールドカップの応援の音など)

そこで、気になる“聞く音”と“見る音”とはなんでしょうか。
“音”とは、聞くことだけだと考えるのが普通ですが、聞くだけでは理解できないもの(伝統に関心がなくなり、人々の記憶から音が消えていったもの)が多いため、HD高画質カメラで撮影した映像とテキストを見る音として提供しているものです。

我々の日常生活は様々な音に包まれています。
自然の風景のように精神を清らかにする音がある反面、自動車のクラクションのように気に障る音があります。それに、時間の流れと共に我々の記憶からなくなりつつある音もあります。それが、当然なのかもしれませんが、昔のものを無くすことは伝統を失ってしまうような気がして残念極まりません。
音にも国籍と伝統があって、いい伝統は守るべきだと私は思います。
ここで、みなさんが聞いたことのない韓国の伝統の音を紹介したいと思います。

                      ダドゥミ
                       ↓↓↓

speaker

ダドゥミの音speaker

この音は、人々が綿や麻などの自然繊維質に依存していた時代に、韓国では洗濯物にのり付けをしてそれが乾く前に二人が向かい合って座り、両手で布を引っ張って畳んでから、棒で叩いてしわを取る行為からなる音です。この作業は夕方頃から夜中まで行われたもので、韓国の風俗の一面を表すものであります。この音は懐かしく暖かい音で、聞いていると癒されます。

みなさんにも聞いて癒される音がありますか?

(喜)

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「苦手な音」

ガラスを爪で引っ掻く音は誰でも苦手な音です。なぜ苦手なのでしょうか?

この音に一番近い音をあてはめると、猿の叫び声と良く似ているという結果があります。それも、猿が仲間に危険を知らせるときの叫び声に似ているというのです。

猿の叫び声speaker

私たちの脳が太古の記憶をよみがえらせ、危険信号として受け取り、危険=苦手ということなのかもしれません。

赤ちゃんが泣く声に似ているから、人間としての本能でその近辺の音に敏感になってしまっているということも考えられます。

どのような理由であれ、苦手な音というものはあり、それをどう受け取るかは自由です。音の奥深さを少しでも感じてもらえれば幸いと思います。

(両)

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心地よい音

高校時代、学校の敷地から外に面した窓側の後ろの方の席であったので、興味のない授業の時は、外を眺めているか、机に伏せて目を閉じておとなしくしているかのどちらかの方法で苦難の時を過ごしておりました。

運良く、道を挟んだ向こう側で家を立てることがあって、家が着々と完成していく様を見ているのは、実に面白いので大概はそれを眺めて過ごすようになってたんです。柱が立ち、屋根が作られ、壁が出来ていく様子も面白いのだけれど「トトトト、ト、トン」とリズミカルに釘が打たれる音が実に心地よかった。春先の暖かくな陽射しの中、釘を打つ音と、職人の動きを見ているのが、楽しみになっていて、「大工もいいなぁ」なんてのんきなことを考えていたのでした。釘じゃなくて、キーボードを叩いているので、ずいぶんと違っちゃったけど。

人が心地よいと感じる音は、釘を打つ音や水の音、虫の声などのアナログな音。人と接するものを作る以上、人が心地よいと感じられるような部分、数値化できないところを表現したり、理解して行くことが望まれていくのではないかなぁと風鈴頭で考えたりしています。

水の音speaker
虫の音speaker

(和)

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ものを言う廊下~うぐいすばり~

修学旅行などで京都を訪れたことのある方は多いと思いますが、二条城や知恩院の廊下に共通するものと言われて何だか分かりますか?実はどちらも「ものを言う廊下」なのです。とは言っても人間のように言葉を喋るわけではありません。廊下を歩くと「キュッ、キュッ」と音がして部屋の中にいる人に第三者の接近を知らせるのです。

では、どうして歩くと音がでるのでしょうか?えっ?建物が古くなって軋んでいるんだろう、ですって!確かに古~い建物に見られる独特の仕組みですが、古くなって軋んでいるわけじゃありません。床下に仕掛けが施されていて、意図的に音が出るようにしてあるのです。

通常の床板は「根太木」という床を支える部品に密着させて釘などで固定されていますが、鴬張りの場合は「根太木」と床板とを僅かに隙間を空けて「鎹(かすがい)」という特殊な部品で若干のアソビを残して固定しています。

そんな仕掛けがされている床の上を誰かが歩くと重さで床板が下へ押し下げられます。この時に床板と鎹との摩擦音が発生し、「キュッ、キュッ」と鳴るのです。では、なぜこんな手の込んだ細工をしていたのでしょうか?

江戸時代以前の日本は、言ってみれば戦乱の世の中であり、刺客が送り込まれることがあれば、間諜(スパイ)が紛れ込んでいることもあります。こうした歓迎されざる客人の多くは伊賀者とか甲賀者とかと言われる「忍者」です。その「忍者」を除けるために「鴬張り」が用いられたのです。忍者は「忍び足」で気配を消して行動しますが、「鴬張り」は 忍び足のように静かにゆっくりとあるくと余計に大きな音が出ますから、有効な対策であったと言われています。

また、「うぐいすばり」の名前は、鶯が沢などを渡るときにだす「キョッキョッ」という小刻みで早口の鳴き声に似ていることに由来しているそうです。(鶯はいつでも「ホー・ホケキョ」と鳴くもんだと思っていたのですが、実際は色々なバリエーションがあるのだそうです。ちなみに前述の鳴き声は「鶯の谷渡り」というそうです。)

鶯の谷渡りspeaker

ちなみに、うぐいすばりの廊下などを一番静かに歩ける方法は「爪先立ちの摺り足」だと言われています。興味のある方は試してみては如何でしょうか?

(泉)

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あけましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます。<自然韻律合成>

子供声speaker

女性声speaker

本年もアニモのブログ「音のソムリエ」をよろしくお願いいたします。「音声」や「ことば」について様々な話題を扱ってまいります。ご期待下さい!

本年も、皆様にとって良い年でありますように。

(太)

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声を「見る」、「触る」

みなさんは声を見たことはありますか? また触ったことはありますか?声を見ると言っても最近流行の科学マジックとまでは行きませんが、皆さんが良く使うパソコンで声を見ることができます。簡単な方法は、WindowsのSound Recorderで録音して、波形(波のようにぎざぎざしたグラフ)を見ることができます。波形で見ることができるのは、声の時間的なつながりと音の強弱(大きい・小さい)です。更に声が高いとか低いとか、はっきりした声とかざらざらした声とかを見たい場合には、周波数分析を行って、スペクトログラムを作ります。これはいわゆる声紋と言われるものです。このスペクトログラムを見ると、どんな高さの音が混じりあって声が出ているのか、よーく見えます。

声を触るというのは、一体どういうことでしょう? 答えは簡単です。ちょっと大き目のスピーカのコーンの部分に指先を当ててみてください。指先に振動を感じるはずです。健常者の方は何も声を触る必要は無いかもしれませんね。しかし聴覚障がい者の方が、発話を憶える際には、昔は風船を膨らませて、先生が風船に口をつけてしゃべった声を、肌で感じると言ったようなこともやられていたのです。また失語症のリハビリテーションでは、脳への五感を使った刺激をということで、アニモの「花鼓Ⅲ」では、「振動子」を開発して、声を触ってもらうことでリハビリの効果を高めることを行っています。

参考に「花鼓Ⅲ」第3段階の話ことばの練習で使用されている”振動子で日本語が持つリズム・イントネーションを感じ取れる”訓練音声をお聞きください。
*音声内容->”あつあつスープ”

(鈴)

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音の持つ「感性」

テレビ等で、自分が今まで実際に聴いた事が無い音声が流れると、「本当にこんな音が鳴るのか?」と思うことがしばしばあります。例えば、墓地のシーンで流れる「ヒュードロドロドロ」という音。これは、「幽霊が現れる音」として使われることが多いですが、実際に幽霊が現れた時、こんな音が鳴ったことがあったのでしょうか。いや、ありません。この音は江戸時代から歌舞伎で使われた「擬音」です。この音を鳴らす専用の楽器があり、名前も「ドロドロ」と言うそうですがまさしく誰が聴いても「恐い」と感じさせる音です。作った人がどうして思いついたかはわかりませんがきっと凡人離れした「感性」を持っていたのでしょう。

「ヒュードロドロ」の音

人間の声に関しても同じように、普通に喋っていても「恐い」印象を与える人や「優しい」印象を与える人もいます。弊社ではこういった「声」から受ける「感性」の数値化を試みています。声の「感性」が数値化できれば、それを生かせる場面がわかり、直す方法を知る大きなヒントとなります。

全ての人間の声がもっと生かせる世界を目指して。。。

(課)

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体を使うとことばが出やすい

赤ちゃんは体を使ってしゃべりだすと言われております。ことばを獲得すると体を使わなくとも、しゃべれます。

母音の「あ」は、両手・両腕を胸の前から大きく広げれば自然に「あ」が出やすいです。母音の「お」は「あ」の逆です。両手・両腕を大きく広げてから腰の前あたりで、両手・両腕で「O」の形を作ってください。自然に「お」が出ます。その反対は、出にくいはずです。「え」は両肩をぐっと持ち上げて見てください。「ぱ」は両手の手のひらは結んで開けば自然に出ます。

以上の体を使ってことばを出すやりかたは、脳梗塞・脳血栓で左脳の言語野に障害を受けて、ことばを失った失語症患者さんへの「ことば」の回復訓練、言語リハビリテーションに使われております。

(河)

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絶対音感

何年か前に最相葉月著の『絶対音感』という本がベストセラーになりましたが、その時初めて絶対音感という言葉を耳にした方も多いと思います。

絶対音感は、20万人に一人が持っているといわれている能力ですが、6才以下の子供には訓練によってかなりの確率で身に付けることが可能となります。絶対音感が身に付けば、音楽に親しみやすく色々な楽器に取り組みやすくなります。例えば楽譜を見なくても耳で聴いただけで楽器を弾くことが可能となり、長い曲が楽に暗譜出来ます。

一方、絶対音感の習得期を過ぎた年齢(7才以上)からは、相対音感を身につけていくことが必要となります。この相対音感は最初に聞いた音を手がかり(基音)にして音の高さ低さを感じる能力です。絶対・相対音感の両方を持つことで、演奏・鑑賞・作曲に至るまでの音楽に対する喜びの幅が広がるといわれています。

人生もまた、より充実させるためには自分自身の中の絶対的尺度を持ちつつ周囲に合わせる相対感を持つことが必要なのではないでしょうか。音楽の上だけでは絶対音感を既に身につけ、相対音感の習得へと向かっているわが子を横目でながめつつ何でも人生に結び付けてしまう母でした。

(晶)

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コンサートの当日に練習?

コンサートの開演は18:30頃。でも演奏家は午前中からホールに入って何かしています。何をしているのでしょうか?曲をまだよく覚えていない?指使いに不安なところがある?一流の演奏家がまさか曲の練習?

 実は、演奏家はその日のホールの音響特性にあわせて、舞台の上で演奏する位置や方向、それから演奏方法の調整を繰り返し行っているのです。

 では、ホールの音響特性とはなんでしょうか?ホールでは演奏者から聴取者に届く音に2種類の音があります。ひとつは直接音、もうひとつは間接音です。間接音とは、楽器から出た音がホールの壁、天井、床に反射して、聴取者に届く音のことです。直接音は読んで字のとおり。ホールのコンサートでは、聴取者に届く音の約9割が間接音なのです。どのような間接音が聴取者に届くかがホールの音響特性と言えます。

 難しいことに、この音響特性はホール毎にかなり違っています。また同じホールでも天候によって音響特性は変わります。午前中は晴れていても、夕方から雨になることもあります。しかも、ホールの音響特性はお客が入ると変わります。演奏家はさまざまな条件を考慮して、本番の間接音をイメージして午前中から調整していたのです。

(太)

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調律の話2

(斎)さんの記事「2005年10月15日(土)掲載」を読み、「ピアノの調律」に興味が出たので、私の視点で少し調べてみました。「調律」とは、楽器の各音の高さや音色を正しく整えるという意味。弦楽器の場合は「調弦」、「調音」も同じ意味で使用します。「調音」のもう1つの意味は、声帯から唇に至る音声器官の形状を変えて個々の言語音を作り出すこと。全く意味が違いますが、音を出すという点では繋がってますね。ピアノの調律は、美しい音色・響きの調整だけではなく、鍵盤のタッチの調整も含まれるそうです。

ピアノの演奏家にとって、鍵盤にタッチする感覚がずれることは命取り?。タッチの差で音色・響きが大きく変わるからかな!(駄洒落)

                                (横)

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手のひらにリズム

音楽は耳で楽しむもの。
当たり前のようにそう思っていましたが、聴覚障害者向けのコンサートという一つの試みを目にしたことがありました。耳の聞こえない方がどうやって音楽を楽しむのか。それは和太鼓の演奏で、リズムを体感するというものでした。太鼓の音には遠くまで空気を震わす特徴があって、近くで聞くとおなかに響きますね。このコンサートではそれだけでなく、観客がそれぞれに大きな風船を一つ、両手で持っています。太鼓が空気を震わせ、空気の入った風船を持つことで、よりハッキリと太鼓のリズムを感じることができるというのです。そして演奏が始まりました。ステージに並んだ太鼓の音が、リズミカルにホールに響き渡ります。すると観客席からはどよめきが上り、驚いたような笑顔が漏れ、みな熱心に振動を感じていました。

コミュニケーションにはたくさんの可能性があるようです。

                                    (津)

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調律の話

趣味でギターを弾いたり、子供の頃にピアノやバイオリンを習った方も多いと思います。個人でギターやバイオリンを弾く前には、調弦をして弦と弦の音の高さを整えます。バンドやオーケストラなどの団体では、演奏を始める前にチューニングをみんなでして、楽器と楽器の音の高さを整えます。これによって、高さにずれがなくなり、きれいに鳴るわけです。ピアノの場合は、調律という言葉を聞いたことがあると思いますが、ようは同じことです。

ピアノの場合に違うのは、ほかの楽器はほとんど演奏者自身でチューニング(調律)をしますが、ピアノは調律師という専門の職業の人たちが作業をすることです。ピアノの場合、音の数が鍵盤の数だけありますし、その弦の張力も大変なものなので(ピアノ1台で2トンにもなるそうです)専門職でないと無理なわけです。調律師は、耳を訓練することも必要で、一人前になるには10年かかるなどといわれます。

ホールなどに行くとほとんど必ずピアノがあるので、ピアニストはふつう演奏会場のピアノで演奏しますが、世界的に有名なピアニストには、自分の好みのピアノを持ち込み、お抱えの調律師に調律させるという、なんともぜいたくなことをする人もいます。これは、音の高さを合わせればよいというものでない、調律師の仕事の奥深さと幅広さを意味しているのですが、話が長くなるのでこのへんで。
                                                                                                             (斎)

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日本人はなぜ英会話が苦手?

日本人は英語の読み書きはかなりできますが、会話が全くダメですね。どうしてなんでしょう。

通信の世界では、プロトコル(通信規約)を実装すれば、通信が可能になります。ことばの世界では、単語や文法などが通信のプロトコルにあたります。中学高校で、あれだけ英語のプロトコルを勉強したのにぃ、と思う方は多いはずです。ということは、我々の脳には、英語の読み書きのプロトコルは実装されているけど、会話のプロトコルが実装されていない。

では、読み書きのプロトコルではない会話のプロトコルとは何でしょうか?それは、韻律やパラ言語なんです。我々は、英語の韻律やパラ言語の規約が分かっていないので、聴けないし、話しても通じないのです。

実は日本人が苦手な「R」と「L」の発音の違いなど、英会話の成立にはほとんど関係ありません。アメリカで生活している日本人で、米[rice]と虱(シラミ)[lice]の違いで困った方は皆無です。日本人の喋る英語は、子音の後に母音が湧き出すというけれど、私の知り合いのイタリア人の英語には母音がバンバン湧き出しますが、彼は英会話で困ったことはないと思います。

そういえば、私が通った中学高校には、英語の「R」と「L」の違いのことは教えても、英語のパラ言語を教えられる英語教師はいませんでした。

                                 (太)

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パラ言語

以下の2つの声を聴いてみてください。

1.「ありがとうございました。
2.「ありがとうございました。

文字で書けば同じ文であっても、しゃべり方によって印象が全く違ってしまいます。このような違いを伝える情報をパラ言語情報といいます。パラ言語情報は、音声で情報を伝える場合に発話者の真意を表現する重要な役割を担っています。声の高さの変化、音量、スピード、声質などプロソディと呼ばれる音声の成分で伝えられます。

メールや伝言メモなど文字だけのコミュニケーションではパラ言語情報が伝わらないため、真意が伝わらず思わぬ誤解を招くことがあります。メールを書く方は当然ですが、受け取る方にも配慮が必要だと思われます。

携帯メールでは、パラ言語情報を伝えるために絵文字が発達したのだと考えられます。

                                              (太)

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関西弁と関東弁

あるスーパーでの一幕。「カッター、どこに置いてますか?」と、店員さんに尋ねたら、ご親切に「文房具コーナー」に案内してくれました。「あぁ、ありがとう」とお礼をいい、自分で「紳士服コーナー」を探して「カッターシャツ」を無事に購入。(そう言えば、関東では「Yシャツ」というのだとあらためて痛感。。。)
関東と関西では、イントネーションもさることながら、日常使用している言葉の意味の違いの「壁」もあり、なかなか関西人が標準語の文化に溶け込むのは大変なことなのかも知れません。テレビのニュースでは、小さい頃から標準語を耳にしているので、何を言われているかの解釈は問題ないのですが、いざ、話すとなると、日常使っている「関西弁」が思わずポロっと出てしまうこともしばしばです。

ビジネスの世界では「契約」行為が基本ですが、「そこにハンコもらえますか」と言われたなら、その人はきっと関西人に間違いありません。「印鑑を押してもらえますか」と言うと、確かにしっくりいくわけですが、あれこれ交渉した後の「契約」も、最後の「ハンコもらえますか」と言う言葉が、相手への親しみを生みだし、「ホッ」とした安堵の気持ちにしてくれるように思います。関西弁は、そんな「温い(ぬくい)言葉」なのでしょう。
                                                 (松)

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最近の東京アクセント

最近、若者の話す言葉が理解できない、というような話を良く聞きます。話す言葉だけではなくて、近頃はブログやメールなどで「読み書きする言葉」に触れる機会も多いですが、こちらも特殊な記述方法による読み書き言葉をよく見かけます。

話し言葉の場合、言葉の「語彙」と「アクセント」の両面から変わっていきます。語彙のほうはわかりやすいですが、アクセントの変化は微妙なことがあって、気づかないうちに変わっていた、ということが良くあります。

たとえば「ドラマ」って皆さんはどう発音されますか? あまり若い人は実感ないと思いますが、昔は「高低低」で「ドラマ」でした。最近は「低高高」で「ドラマ」ですね。

また、「パンツ」を「高低低」で発音すると下着ですが、「低高高」で発音するとズボンの意味で使われてるんじゃないでしょうか。

これらはアクセントの変化の代表的な「平板化」と言われるもので、単語の二拍目でアクセントが高くなったら、後は高いままというアクセントとして分類できます。

何でこうなるかというのは明確にわかっていないんですが、多分「めんどくさいから」です。平板でない話し方は、アクセントを「高」から「低」に下げる位置を覚えておかなければいけませんが、平板な話し方の場合、二拍目で「高」にしたら、後は「高」のままです。

こんなことを書くと「やっぱり近頃の若者は…」と思われる方も多いかもしれないですが、アクセントなんて昔らかコロコロ変わっています。

たとえば昔は「打ち負かす」を「低高高高高」と発音していましたが、今では「低高高高低」です。いつの時代でも、年寄りは「近頃の若者の言葉遣いは…」と思っていたに違いありません。                                                                                                                                                                     (渉)

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方言・標準語・共通語

「ことば」は通信でいうプロトコル(通信規約)です。元来、各部族内で自然発生的に発生した話しことばのプロトコルが、部族と部族の間で共通化が繰り返され、最終的に現在の「ことば」ができたと考えられます。すなわちいろいろな方言が規格統一され標準語というものになったわけです。標準語が変化して訛ったものが方言だと思われていますが、実はそうではありません。

しかしながら、日本語の話しことばには統一規格としての標準語がありません。恐ろしいころにプロトコル仕様書がないのにみんな平気で通信している状態です。東京地区で多く話されている言葉が標準語ではないかと思われているだけす。この状況は、日本語を勉強する子供や外国人の方には大変な障害になっているのではないかと思われます。

さて、標準語とは別に共通語という用語があります。共通語というのは、ある方言を話す方が別の方言を話す方にコミュニケーションするために使う言葉で、東京で話されている言葉に近い言葉です。共通語は、個人ごとにすこしずつ違っています。東京には、大阪訛りの方、名古屋訛り方などたくさんいらっしゃっいますが、特にお互いの方言を勉強することなく普通に会話をしています。これは、皆さんが共通語を話しているから可能になるのです。                                                                                                                                                                        (太)

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日本語のアクセント

アクセントという言葉はご存知だと思います。ファッションやデザインの世界では、ある部分を強調したり目立たせたりすることですね。

日本語の世界だと、一つ一つの語について決まっている、モーラ(拍)単位の音の高低の変化のことになります。

こういってしまうとなんだか難しいので、簡単な例を挙げましょう。

たとえば「アメ」という言葉を、「ア」を高く、「メ」を低く発声してみてください。標準語だと「雨」の意味になります。逆に、「ア」を低く、「メ」を高く発声してみてください。今度は「飴」の意味になります。

これがアクセントの変化です。アクセントを変えると、意味まで変わってしまうということがわかっていただけたと思います。

アクセントは規則で決まっているものではなくて、社会的な合意の中で決まっているだけなので、一つ一つ覚えるしかありません。逆に言うと、明日から「アメ」を「低高」と発声したら「雨」のこと、と決めてしまうことは不可能ではありません。実際には大部分の人が困ると思いますけどね :-)。

また、最初に「アクセントは音の高低の変化」と書きましたが、英語だとアクセントは「音の強弱の変化」と言われています。強く発声することで、音は高くなり、長くもなります。

日本人が英語を話すのが苦手な原因のひとつに、アクセントの仕組みが違うから、という理由があるのかもしれません。
                                                                                                       (渉)

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モーラと音節

暑い夏もそろそろ終わり。9月はすこし音声のことを勉強しましょう。

物質を細かく砕いていくと分子とか原子というものになるのはご存知かとおもいます。音声も分解していくとやはりそういう単位にぶつかります。

日本語の音声単位のひとつに「モーラ」があります。あまり聞き慣れない言葉です。「拍(はく)」とも呼ばれています。ほぼカナ1文字が1モーラとなります。「キャ」「キュ」「キョ」などの拗音(ようおん)と呼ばれる音は、例外的に2文字で1モーラとなります。拗音は中国語から借用された音なので、このような例外になったのかもしれません。俳句は5・7・5で、短歌は5・7・5・7・7と言われますが、これはモーラを数えているわけです。「モーラ」の語源は、ラテン語で詩作法上用いられていた概念で、等時間のリズムを捉える単位「mora」だと言われています。

さて音節という言葉はよく聞きます。音節とは、母音が中心となって両側に子音がくっついたもので、ひとかたまりになって発音される単位です。日本語の場合、ほとんどモーラと同じですが、撥音(ん)、促音(っ)、長音(ー)があるときにモーラと音節の数が違ってきます。たとえば「アン」は2モーラですが1音節です。

モーラはそれを持つ言語と持たない言語があります。日本語がお上手な外国人の方のしゃべりに独特の外国語なまりを感じることがあります。これは多くの場合、しゃべりが音節単位になっていて、モーラの単位が知覚されないためのようです。

                                              (太)

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韻律と語音

私たちはコミュニケーション手段として、「音声」を毎日使っています。「音声」は「韻律(いんりつ)」と「語音(ごおん)」という2大要素からできています。
ここでは、この「韻律」と「語音」について紹介しましょう。

◆「韻律」

「韻律」とは、音声の強さ・長さ・高さ、さらにそれらの反復によって作り出される言葉のリズムのことです。
「韻律」は、呼吸のうちの呼気(こき)つまり吐く息で作られます。その呼気が、俗に言う喉仏(のどぼとけ)の中にある声帯を振動させます。声帯を調整することで、この振動の強さ、長さ、高さが変化し、音声の「韻律」が作られます。

◆「語音」

「語音」とは、言葉を組み立てている部品である母音と子音のことです。各語音の音色の違いは、声道の形の違いにより作られます。声道とは、声帯から唇まで約17cmほどの長さの管のことです。声道の形は、舌・唇(くちびる)・顎(あご)・口蓋帆(こうがいはん:俗に言う「のどちんこ」)などを動かすことで変化します。声道の形が変わると、その共鳴特性が変化し、音の音色が変わるわけです。

「韻律」「語音」とも、日本語、英語、フランス語などの言語によらず同じ仕組みで作られますが、その変化のさせ方は、言語によって大きく違っています。また、スムーズなコミュニケーションが成り立つためには、「韻律」の方が大切であると言われています。

                                                                  (横)
参考文献
杉藤美代子(1995):『大阪・東京アクセント音声辞典CD-ROM』解説篇(丸善)
NHK(1985):『日本語発音アクセント辞典』新版(日本放送出版協会)
松村明(1998):『大辞林第二版』(三省堂)

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音で気温を測る

暑い夏の話題が続きましたが、今日は、音で気温を測るお話です。

理科で次のような式を習ったのを覚えていますか?

  v = 0.6 × t + 331    [式1]

ここで、音速がv(m/秒)、気温がt(℃)です。たとえば気温が15℃の時の音速を計算すると、340m/秒。 時速になおすと1224km/時。これが15℃のときのマッハ1です。

[式1]を書き換えると、

  t = (v - 331) / 0.6  [式2]

となります。[式2]を使うと、たとえば音速が352メートル/秒のときの気温は、「35℃」というふうに計算できます。

マイクとスピーカを10m離しておいて、スピーカから音を出してマイクで録音します。スピーカから出た音がマイクに29ミリ秒(0. 029秒)後に届いたとすると、そのときの音速は約344.8メートル/秒(=10/0.029)。[式2]で気温を計算すると、「23℃」 と求まります。

さて、従来の温度計の問題をご存知でしょうか?従来の温度計は気温を測っているのではなくて、実は温度計の温度を測っているのです。 なので、温度計をその場所に十分長い時間おいて、温度計の温度を気温と同じにする必要があります。ここで紹介した方法は、 マイクやスピーカの温度を測っている訳ではなく、それらの間にある空気の気温を瞬時に測っています。 気温がはやく変化するような場合でも測定できる優れものなんです。

                                                                     (太)

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夏の音(3)

夏の甲子園(全国高校野球)が始まり、はやベスト4が出揃いました。毎日、熱戦を繰り広げる甲子園球場は、 古くから高校球児あこがれの夢の大舞台として、今も変わることはありません。惜しくも予選で敗退し、 その大舞台に立つことが出来なかった球児らの夢も背負い、代表校の選手らは、その一球一球に青春をかけているのだと思います。

甲子園と言えば、その風物である「ウゥーーーー」 というサイレン音が思い浮かびます。試合開始のサイレンは「いざ、プレイボール!」。君たち代表校の熱き魂を見せてくれ、 と言わんばかりのけたたましさ。試合が終了した時は、「よくぞ戦った。勝ったものも、負けたものも、互いの健闘を称えあおう」 というように聞こえます。

甲子園のサイレン音が特徴的なのは、サイレンが止まってからの残響音の長さです。サイレンが完全に鳴り止まぬうちに、 先頭打者が初球打ちで塁上に立つことも珍しくありません。

一説によると、このサイレンは、一般型のサイレンとは異なる機械で、大きな球場内に高らかに響き渡るように、 特に高音域(音響周波数1400Hz)の音がよく出る設計となっているようです。くわえて、円筒形を施した甲子園球場のアルプススタンドで 「こだま」して、相手校へのエールとなって、互いの健闘を称えあっているようにも聴こえます。

さぁ、今年の全国高校野球選手権大会の頂点は果たしてどこなのか、最後の最後まで目がはなせません。
                                                                                                                                                     (松)

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夏の音(2)

蝉(せみ)の鳴き声が聞こえると夏であることを実感します。去年はニューヨークの蝉の大発生が話題になりましたが、そのうるささは隣の人と会話のできないほどだったそうです。

ツクツクホウシの鳴き声

ヒグラシの鳴き声

蝉は鳴くのは雄だけで雌は鳴きません。雄は鳴いて雌を呼び交尾をします。雄がどこで鳴いているかというとお腹です。雄の腹部は、音を作る部分と音を共鳴させて大きくする部分で構成されていて、人が発声するためのしくみと基本的には同じです。
蝉は体の大部分が楽器のようになっていて、体全身で鳴いているといった感じなので、小さいくせにあんなにやかましい訳です。
ニューヨークの蝉の大発生は17年周期だそうですが、日本には発生してほしくないものです。ちなみに雌が鳴かないのは、そのお腹に卵を貯めるためだそうです。
また、横笛の部位に「蝉」という個所がありますが、それは単に蝉の形をしているからだそうで、音のでる仕組みとはなんの関係もないそうです。

                                                 (土)

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夏の音

みなさんは"夏の音"というと、どんな音を思い浮かべますか?セミの声風鈴の音波の音など、いろいろな音がありますが、私は、花火の「ド~ン」という音を一番に思い浮かべます・・・。

すでに全国各地で花火大会がはじまっていますが、私のイチオシの花火大会は、私の地元・秋田県の大仙市(旧・大曲市)で毎年8月に行われる「全国花火競技会」。

この大会は全国から花火師が集まり、腕を競う“競技会”で、日本最高峰の光と音の競演が楽しめます。競技会だから当然審査が行われるのですが、公式HPを見ると、なんと花火の「音」も審査基準の一つとなっています。一体どんな音が"よし"とされるのでしょうか?

「ぜひ会場で!」と言いたいところですが、遠くて行けないという方は、毎年NHKのBS放送でこの大会の模様が生中継されていますので、チェックしてみて下さい。
お腹に響く音は楽しめませんが、道路渋滞やトイレの行列を経験せずに、美しい花火が見られますよ。               

                                                                                   (幸)

hanabi1  hanabi2  
神奈川新聞花火大会(2005/8/1)

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音声のことを楽しく学べるブログ、はじめました!

はじめまして、音声の専門会社のアニモです。

「音声」や「ことば」は身近なことでありながら意外と分からないことが多いですよね。このブログでは、そのような話題を扱っていきます。ご期待ください。まずは、アニモの活動分野を簡単に紹介しましょう。

■録音再生

 音声って空気中に放出されると、一瞬にして消えてなくなってしまいます。これを録音・記録・再生することは、永遠のニーズといっていいでしょう。これをはじめて可能にしたのがエジソンの蝋管です。それがレコード、カセットテープ、CD、ICレコーダと進化して、最近大流行のi-Pod、あの小さい箱になんと音楽が15000曲も入ってしまいます。
(関連製品:VoiceTracking http://www.animo.co.jp/product/vtseries/index.html


■音声認識合成

 音声の内容をテキストに、あるいはテキストを音声に自動変換できれば便利です。これは音声認識、音声合成と呼ばれる技術です。カーナビや携帯電話で使ったことがある方は多いと思います。
(関連製品:FineSpeech http://www.animo.co.jp/product/fs/index.html

■音声認証

 人間は、声を聴いてこれは誰々の声だと分かります。これをセキュリティに応用したのが音声認証。声紋認証とも呼ばれています。いまバイオメトリクス技術の一つとして非常に注目されている技術です。最近、テレビや新聞でバイオメトリクス特集をよく見ます。
(関連製品:VoicePassport http://www.animo.co.jp/product/vp/index.html

■携帯電話向けコンテンツ

 携帯電話は、音声でコミュニケーションするツールです。最近は、文字でのコミュニケーションの方が多いかな。でも文字も「ことば」。携帯電話を使った音声・ことばに関する楽しいコンテンツが目白押しです。
(関連製品: http://www.animo.co.jp/product/contents/contents.html

■音のバリアフリーから音のユニバーサルデザインへ

 アニモでは、障害のある方、高齢の方のためのバリアフリー製品を開発販売してきました。たとえば、喉頭癌で声を失う方にもとのご自分の声でコミュニケーションしていただく画期的な音声合成システム。 人は、障害のある方とない方に分けられるわけではありません。障害の程度というのは極めてアナログ的。極論すればまったく障害のない方というのはいないのかもしれません。ヒューマンインタフェースの技術というのは実はこの課題に対応する技術だったんです。
(関連製品: http://www.animo.co.jp/product/wf_fs/pda2.html
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